とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

暗戦 デッドエンド

2006年03月25日 16時11分18秒 | 香港的電影
『暗戦 デッドエンド』
(Running Out of Time ジョニー・トー監督 1999 香港)



特にチェックしてたわけでもないのに、ぱっとテレビをつけたら、すごーく観たかったものが放送してる、ってこと、ありません?そういう時って、とてもうれしかったりしません?

今日も今日とて、たまたま合わせたチャンネルで、いきなり始まった深夜映画は、『暗戦 デッドエンド』。

キターッ!

前から観たかったんですよ~これ!
吹替えでしたが、何はともあれ、観ました。


<あらすじ>
末期ガンであと4週間の命と診断されたアンディ・ラウ(劉徳華)。なぜか理由はわからぬが、いきなりあるビルのオフィスに人質をとってたてこもる。交渉人に指名したのは、刑事のラウ・チンワン(劉青雲)。72時間のゲームをしようとだけ告げて、アンディ逃走。頭の切れるチンワンは、日頃から無能な同僚や退屈な日常に嫌気がさしていた。自分と同じくらい高い知能を持つアンディとのゲームに、ひそかな喜びを見い出しはじめるチンワン・・・


で、劉徳華が「ゲーム」を始めた理由が、すこしずつ明らかにされていくのですが・・・
いっや~まいりました。

二人の男の奇妙な友情、いやほとんど愛情と言ってもいいくらいの、アンディvsチンワンの駆け引きが・・・セクシーすぎます!

劉徳華はみなさんよくご存じかと思いますが、ラウ・チンワン(劉青雲)も、香港ではビッグスター。「性格巨星」との愛称もある、どっちかといえば個性派俳優。日本で公開された映画では、たぶん『つきせぬ想い』の、アニタ・ユンに尽くす恋人役がよく知られていると思います。

本作では、がらりと変わって、いかにも頭の回転が早く、ぶっきらぼうで、しかも情の深い刑事役を、これ以上は無理ってくらいかっこよく演じています。ちょっとくずして着るスーツの、似合うこと似合うこと。わたくし完全降伏でございます。声優さんも合ってたなあ。

ほんっっとうにいい俳優なんですよ、劉青雲。四天王も良いのだけど、もっと彼の作品を日本公開してほしいなあ。すばらしい作品がいっぱいあるのに、日本でソフト化もされてないためにご紹介できないのが、非常にツライ!

対する劉徳華、余命短い役ということで、影を背負いながらも、刑事との"ゲーム"を楽しむ姿が、切なくも美しい。見知らぬ娘との、つかの間の淡い恋のシーンも、すてきすぎて腰砕け(笑)。まったく、こんなに綺麗な顔の人間がどうして生まれてこられるのか?と、彼を見るといつも感心してしまいます。神様、いいセンスしてるわ。

展開に多少のアラはあるものの、二人の男の知能戦のおもしろさでぐいぐい引っ張ってくれます。特に後半のどんでん返し&どんでん返しは、思わずのめりこんでしまう。

また、ただただ劉徳華&劉青雲の男祭り(笑)を楽しむだけでも、十二分にクオリティの高い作品です。あ、全然暑苦しい映画じゃないですよ、とてもスマートな作品です。

彼らは、きっと誰よりも互いを理解しあえる者どうしなのでしょう。というか、きっと他には誰も、彼らを本当に理解できる者はいない。ずっと孤独だったそれぞれが、3日間だけ邂逅できた。劉青雲が最後に劉徳華にかける言葉「お前のことは一生忘れられないさ」が、すべてを物語っているような気がします。


監督のジョニー・トー(杜?峰)は、いま香港で円熟期をむかえている最高の監督の一人。映像美に対するこだわりも持っている人です。彼の独特の青みがかったクールな映像が大好き。『ザ・ミッション 非情の掟』がいまのところわたしの中ではNo.1ですが、いやー『暗戦』にもやられちまいました!



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