とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

乗り越えたい壁

2010年07月13日 02時26分14秒 | その他

ワールドカップ関連ではこれで最後の記事です。


それにしても、わたしは、なぜ日本代表を応援するのだろう。

日本人だからって、なにも日本代表を応援しなきゃいけない義務はない。
自分がそれほど愛国的な人間だとも思えないし。
岡田監督が言っていた「脈々と受け継がれた日本人の魂」なんてものの存在を、わたしは正直信じていない。
「日本人としての誇り」なんて、持ちたいとも思わないし、そんな言葉自体恥ずかしくって口に出せないタイプ。

それなのに、日本代表を応援してきた。
南アフリカ大会でも、熱く応援してしまった。

なぜなんだろう?

何かに帰属することへの、本能的な欲求なのか?
ただW杯というお祭り騒ぎに参加したいだけなのか?
それとも、「日本人の魂」とやらが存在しないという考えがまちがいで、自分のなかに眠るソレがむくむくと目を覚ましたということなのか?
わからない・・・

サッカーは模擬戦争だと、よく言われます。
「たかがスポーツじゃないか」という言い方は、サッカーにはあてはまらない。
「サッカーは戦争だ」というのは、「恋と戦争にルールはない」という格言に近いかもしれない。

サッカーにはもちろんルールがある。でも、そのルールの裏をかく激しい駆け引き、ピッチ上での殴り合い蹴り合い、悪口の応酬、誤審。そんなものもすべてひっくるめて「サッカー」なのだ。

サッカーはキレイごとじゃない。だからこそマラドーナはサッカーの象徴になったんじゃないか?その破天荒で型破りな、ある面では悪魔的な生き方と、天使のように純粋な彼の魂。まさにそれこそが、サッカーなんだ。

サッカーはすべてを超える、とよく言われる。性別も、年令も、民族も、国境も。
でも、いつもそうとはかぎらない。

たとえば、イビチャ・オシムがかつて代表選手と監督をつとめた旧ユーゴスラビアでは、ひとつの代表チームを人々がいっしょに応援することは、もうない。煽動された群衆が、昨日までは英雄とあがめた選手に今日はツバを吐くということだってある。旧ユーゴではそれが起きたのです。

これほど熱く日本代表を応援するわたしのこの心は、もしかしたら諸刃の剣なのかもしれない。
この心は、ちょっと煽動されればニセモノの「民族の魂」を簡単に支持してしまう脆さをもっているのかもしれない。

ワールドカップがすばらしいと思うのは、そんな自分の脆さに気づかせてくれるからかもしれない。

サッカーには現実の戦争を終わらせる力はないかもしれない。でも、ピッチの上では血は流れない。殺しあいかねないほど激しくぶつかりあっていても、それは「戦争」じゃない。「サッカー」なんだ。試合が終われば、ピッチに立つ選手たちの間には敵も味方もない。

そのとき、ハッと気づくのです。どちらも同じ人間なんだと。

だからこそ、ワールドカップにこんなにも魅せられるのかもしれません。


日本代表には、心からおつかれさま、ありがとう、と言いたい。
だけど、「感動」に酔いしれるのは、そろそろ終わりにすべきかもしれません。

冷静に考えれば、彼らはベスト4の目標を達成できなかった。それはなぜなのか。何が足りないのか。パラグアイ戦で何度も決定機をつくりながら1点を決めきることができなかったのはなぜなのか。

カメルーン戦の勝利は、しびれるくらいすばらしかった。でも、試合内容そのものは、決して良いものではなかった。問題はどこなのか。デンマーク戦のような強く美しい試合を、コンスタントにやれないのはなぜなのか。

いま、なんとなく日本のメディアで、日本代表を冷静に分析することがタブーになっているような雰囲気があるような気がします。もしそうだとすれば、それは今後の日本代表にとって非常に良くないはずです。次の監督の下で新体制をつくるにあたって、「感動」をおしつけられることがいかにゆがんだプレッシャーになることか。

日本代表は、まだ発展途上です。まだまだ伸びしろがある。だからこそ、わたしは日本代表が好きです。これからもっともっと強くなれる。そう思えることは、とても幸福なことだからです。

GK川島永嗣のこの言葉が印象的でした。
「このチームといっしょに、壁を乗り越えなきゃいけない。いや、乗り越えたい、と思えた」

「乗り越えなきゃ」じゃなく「乗り越えたい」と思えたとき、どんな苦労も努力も喜びに変わる。そして、ほんとうに乗り越えてゆける。

日本サッカー史上最高の代表チームが、そうおしえてくれました。






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4 コメント

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どういうことだってばよ!? (たなぶぅ)
2010-07-13 06:47:28

チ○ポ食われてんじゃね!?ってぐらいスゴイ締めつけ!!
もー気持ちよすぎて何回出したか分かんねー!!(^^;)

しかもこんな極上のマ○コ味わって7万もらったし!
最近の女の子どうなってんのマジで(笑)
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返信する
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サッカー談義 (FUJIWARA)
2010-07-13 22:28:11
業者さん??
コメントがオープンがいいことに・・・
NGワードみたいなのは追加できないのですか?
こうなってしまうんですかね・・・



アフリカのちっちゃい村に住む90才のおじいさんの話がありましたが、
日本でのサッカー人気ってどうなんですかね?

あくまでも日本でのサッカーというとJリーグ以降ですよね。
なんと言ってもプロ野球が人気の国でしたから。

Jリーグ発足→年々技術、戦術の向上→ワールドカップ出場→ワールドカップで勝ち進む
という図式ですかね。

ブラジル、アルゼンチンなどは貧困もあるので裸足でボロボロのボール、
または何かを丸めて作ったボールを蹴って遊んでいると聞きます。
野球よりお金が掛からないですし。

そういう話を聞くと上手くなって一家を支えようという選手もまだまだ
いるのではと思います。
あと、負けたら殺される恐れまであるんですよね。怖い話ですが。

日本選手のサッカーにかける情熱が低いとは言いませんが、
世界のTOP選手にはそういった背景もあり、それが勝ち進む動力源というのも
何パーセントかはあるのではと思います。
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FUJIWARAさん (ファイアー)
2010-07-15 02:03:26
お気遣い、どうもありがとうございます!
ちゃんと調べてないですが、
gooはNGワード的な機能はついてないような・・・
明らかな迷惑コメは削除すべきかなあとも思うんだけど、
コメントを管理者の一存で消すってことにどうも抵抗がありまして・・・
以前ヤフーブログのころ、
記事がいくつもヤフーによる言葉狩りにあって
憤激したことがあるものですから(今はどうかわかりませんが)。
だけど読者のかたにめざわりなら、削除したほうがいいのかなあ?
どうでしょね?

日本選手のハングリー精神のなさは指摘されますよね。
今回のW杯みたいに、チームの結束力が強ければ、
それもいいモチベーションになるのかもなーと思いましたよ。
「チームメイトのために!」っていう。
日本人の気質にも合ってますしね。

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