みなさん、記念すべきタイム誌2013年10月28日号はゲットされましたか?
ア○ゾンのほしいものリストに入れてたはずなのに、即完売だったためか、けっきょくお知らせは来ず・・・
昨日、かるくパニック状態になりつつ、梅田の主要書店に電話をかけまくって、ようやく一冊取り置き確保できました・・・ツイッターを見てると、書店によっては取り寄せ可能なところもあるようなので、お近くで見つからない方、たいへんだけどトライなさってみてください!
ところで、今日は、しばらく前から書いておかねばと思っていたことを、書きます。
前記事のコメントにも寄せていただいたように、ベネディクトの最新作『The Fifth Estate』が全米公開され、興行収入の面でやや苦戦を強いられているようです。
背景は、コメントをくださったまゆみさんの分析の通り、アサンジがアメリカでよく知られていないことが大きいのでしょう。そのこと自体に、わたしは非常に驚いてしまうのですけど。
『フィフス・エステイト』関連の記事などを見ていると、「アメリカ人はアサンジをあまり知らないから・・・」といったコメントをよく見かけて、えっそうなの!?と。
これはアレですかね、やっぱりアメリカのメディアが積極的にとりあげないからでしょうか。かんがえてみれば、ウィキリークスは現在進行形で米国政府のいわば「敵」でしょうからね。
ウィキリークスが世界的に有名になったのは、イラク戦争の無人機による民間人殺傷映像を公開したあたりからだと記憶します。すくなくともわたしは、それでウィキリークスの存在をしりました。オバマ政権は機密漏洩にたいしてとても厳しいというし(いま日本で成立しかけている秘密保護法案も、もしかしたらその圧力に乗るかたちで考えられているのかもしれないですが、それはともかく)。
そういったもろもろのことを考えあわせれば、ベネディクトが『フィフス・エステイト』に主演したことは、かなり勇気ある行動だったのではないかという気もしてきます。
この作品には、いろいろとウラがあるような気がしています。アーティスティックな意味だけでなく、政治的にも。だいたい、アサンジ自身がこの映画を攻撃してるのですからね・・・(映画は攻撃しても、ベネディクトに対しては好意的なのが興味深いところではあります)。
まあともかく、作品そのものを観てない以上、あれこれ言うのもまずいので、もうやめますが(鑑賞後の感想については、まゆみさんがくださった的確なコメントをぜひお読み下さい)。日本で公開されれば、みなさん、劇場へ飛んでいって観ましょう!!この作品は、全世界的にトータルすればヒット作になるのでは、という気もしてます。
要するに、今回なにが言いたいかというと、
山もあれば、谷もある。
と、いうこと。
いま、ベネディクトは、飛ぶ鳥を落とす勢いです。すくなくとも、ネットやSNSの世界ではダントツです。ベネディクトのファンダムは世界中でものすごい勢いで増殖し、だれもがベネディクトにうっとりし、彼の魅力を誉めまくっている。わたしも、もちろんそのひとりです。
メディアもなんとなくその流れにのって、彼をチヤホヤしている。“売れる”からとりあえずもちあげとけ、っていう雰囲気も、マスコミの中にはあると思う。
でも、それって危険なことでもある。
森繁久彌が生前、渥美清に贈ったということばがあります。「おまえをケナす奴のことばは気にするな。ホメるやつのことばも聞くな」と。
ファンはいいんです、ファンはちゃんとわかってるから。あぶないのはマスコミや批評家。持ち上げるときはさんざん持ち上げるが、ちょっとでも自分たちと利害が対立しそうなら、途端に攻撃をしかける。「シャーロック」の「ライヘンバッハ・ヒーロー」を見ればよくわかります。マスメディアほどあてにならないものはない、と。
だから、まず、マスコミのことばに振り回されないようにしないといけない。その意味でベネディクトは、ほんとうによくふんばって、がんばっているよなあと思うんです。
でも、「谷」はこれだけじゃありません。
・・・なんだか妙にペシミスティックですいません(汗)そういうつもりではないんですよ。ベネディクトの未来はバラ色だと、わたしだって信じたい。
けれど、われわれとおなじくベネディクトだって人間ですから、これから失敗をたくさんしていくわけです。とんでもない駄作に出てしまうこともあるでしょう(それはなるべく避けてほしいですが)。思い通りの評価が得られないこともある。
いま、あまりにもベネディクト・フィーバーが高まり過ぎていて、あまりにも天才とかなんとか称賛されすぎていて、ファンの側にも失敗をゆるさない空気がもしできてしまうとするなら、それもちょっと危険ではないか、という気がするのです。
もちろん、ベネディクトは、どんな仕事でも全力でベストをつくしてくれるでしょう。それでも失敗することだってある。というか、ベネディクトって、失敗をおそれない人だと、わたしは思う。わたしがベネディクトを知っていくなかで、いちばん感動し、また学びもしたのは、そこなんです。
彼には、自分を醜くみせることや、失敗することを恐れない強さがある。そこでファンダムがどれだけふんばれるか。ファンの真価も、そこで問われるのかもしれない。これは、自分自身へのいましめなのですが。
あんな時代もあったねと・・・
冷静にかんがえてみれば---「デヴィッド・レターマン・ショウ」の記事でもいいましたが---ハリウッドではベネディクトはまだニューカマーなのです。いや、英国でも、これといって大ヒットをとばした主演映画というのは、まだない。彼が高く評価されたホーキングも、ゴッホも、そしてシャーロックも、ぜんぶテレビです。
むろん、テレビが映画よりレベルが低いだなんて言いたいのではない。むしろいま欧米では映画よりもテレビドラマのほうがクオリティが高くて、ハリウッドの大物俳優や監督たちがテレビ業界へなだれこんでいるくらいです。そういう意味でも、ベネディクトの評価はまっとうなものだし、映画に主演しなきゃ成功といえないわけではまったくない。
ハリウッド映画に出ることの意味って何なのか。それは、ただただ知名度の問題だと、個人的には思う。たとえばとんねるずの石橋貴明氏が『メジャーリーグ2』に出てますが、それだけで彼は世界で顔をしられている。ハリウッド映画に出るとは、そういうことです。
そりゃ、有名であることに比例する責任とか、プレッシャーの重さとかはあるでしょう。でも、それが才能に比例しているかどうか、は、なんともいえない。
“ベネディクト・フィーバー”が、いつまでつづくのかはわかりませんが、いずれはかならず落ち着いてきます。ベネディクトがほんとうに“活躍”しはじめるのは、ひょっとしたら、それからかもしれない。
われわれファンとしてできることは、あせらずに、彼の“スター人生”の山も谷も、いっしょにのりこえていくことしかないのかもしれないなーって、思うわけです。
個人的な願望をいわせてもらえれば、ベネディクトには、ジャック・ニコルソンのような立ち位置になってほしいなあと思う。めちゃインパクトある主役(『カッコーの巣の上で』『チャイナタウン』)もやれれば、脇にまわることもできる(『イーストウィックの魔女たち』『ディパーテッド』)。硬派な役も軟派な役もやすやすとこなすポップさがありながら、名優でもある・・・
とはいえ、それはベネディクト自身のチョイスですから・・・見守ることしかできないんですよね。
古いタイプのマスメディアは、まだまだベネディクトを理解できていません。どうあつかっていいのかもわかっていない(最近日本で出た雑誌でベネディクトを「バッチ様」と呼んでいたのが、そのいい例でしょう)。
だけど、これもまた、ベネディクトのふしぎな魅力のひとつじゃありませんか?それだけベネディクトが破格の役者だということ、前代未聞のスターの器だという証ですよ!
KEEP CALM AND LOVE CUMBERBATCH!!
このファンビデオ、大好き
トロント映画祭にて『August: Osage County』記者会見
この記者会見に残念ながらベネディクトは参加できなかったのですが、ジュリア・ロバーツがベネディクトに言及しています。20:55分あたりから。映画でいちばん好きだったシーンとして、バス停車場でのベネディクトとクリス・クーパーの出演シーンをあげてます。感動して号泣だったと・・・
素晴らしい応援の記事をありがとうございました。Keep Calm And Love Benedict、まさにこれです!(ちなみに私のiPhoneのLock Screenには、Keep Calm And Believe in Sherlockを使っています。)
一つだけ付け加えさせて下さい。多くのアメリカ人はアサンジのことは知っていると思います。しかし、彼やWikiLeaksのことに興味や関心がない、というのが現状だと私は思います。また、アサンジへの評価も、エキセントリックな変人というのが一般的で、スウェーデンでのレイプ疑惑が持ち上がった後は、かなりイメージダウンしてしまいました。そういう人物を、ベネディクト自身の言葉を借りれば「3D」的に演じるのは俳優冥利に尽きると思います。そして私は、見事に演じ切った彼に拍手喝采を贈ります。
イギリスの映画界と比べると、究極の資本主義国の西に位置するハリウッド映画界は、売れてナンボの世界です。一部のアメリカの業界誌(Entertainment Weekly)が、今回のことをとらえて、ベネディクトには主役としての集客力がないのではないか、という記事を書いたのも当然予想されました。しかし別の記事(Variety)で、これによって彼のキャリアは傷つくだろうか、そうは思わない、という反論が出たというのは、我らがベネディクトたる所以だと思います。
ファイアーさんもご指摘なさっていますように、本人は興行成績のことは、二次的なことだと捉えていると私も思います。彼の役者としての高潔さや優秀さは、今までと何ら変わりがありません。『ライヘンバッハ』の中でもシャーロックが "It will pass"と言っていますしね。
最後に、アサンジが気持ち悪いと思っている方も、この映画はベネディクトの役者としての見事な演技を堪能できる良い機会ですので、日本公開時は、ご家族友人をお誘い合わせの上、映画館に足をお運びくださいませ、と声を大にして言いたいです。(あ、貴重なダンス・シーンもありますよ!)
地球ドラマチック「名探偵シャーロックは今も生きている!?」という回にSHERLOCKも取り上げられているみたいですよ。
とっくにお知りになられていると思いますが、いちおう。
存在が大きければ大きい程、落ちる谷も深いかもしれない。これからどんな谷が待ち受けているか、それこそわからないけど、どんな時もファンとして応援してサポートしていきたいですね。
たとえ何があっても、それを成長の糧にできる人だと思ってますし。
もちろん極力、嫌な目には遭ってほしくないけど><
不勉強で、アサンジのことは殆ど知らなかったので、むしろまっさらな状態で映画を観れるかな、と楽しみにしています。
とはいえ、そんな社会問題も知っておかなきゃいけないですよね~映画に関係なく^^;
そんなことに関心を向けさせてくれただけでも、この映画に出る意味があったと思います。
映画が売れようが売れまいが、希望する映画にどんどん出演して、活躍し続けていってほしいですね。
そうなのですか~ううむ。
>見事に演じ切った彼に拍手喝采
ああ早く観たいです!!
いいかげん日本公開日を決めてほしい・・・
ドリームワークスの作品は、日本ではディズニージャパンが配給するみたいです。
ディズニーがWikileaksだいじょぶなの!?って思ったり(笑)
Varietyがベネディクトを支持してくれたというのは、うれしいことですね。
ほんとに雑誌によって映画への評価ってちがいますよね~
主演としての集客力・・・と言ってもねえ。
やっぱり近年の英国俳優たちのハリウッドでの位置って・・・
あのジュード・ロウだって、バーンと主役はってがばーっと客が呼べるかっていうと・・・
ユアン・マクレガーしかりじゃないでしょうか。
彼はスターウォーズに出たのが大きかった気がしますが・・・
あ、でもリアム・ニーソンもUK出身か。ううむ。
昨年書いた記事で「ハリウッドでへんなアクションスターにされないように」と
危機感を表明したのですけど、
ベネディクトのあの異星人感ってハリウッドがやや苦手とするタイプかもって気もして。
ベネディクトを見始めた頃すぐ浮かんだのは、ブレンダン・フレイザーで。
彼もちょっと古風なスターの風格があって、とても才能ある人ですけど、
なかなかいい作品に恵まれないんですよね(わたし彼のファンなんです)。
そういう感じになりませんように、って思っちちゃったりして・・・
わたしもちょっと前に発見して、大騒ぎしてましたw
シャーロックの写真いっぱい使ってるから、本編でもフィーチャーされてることを期待したいですね!
ああ・・・・・そうですよね。
ゆきさんは、マスコミの怖さをマイケルを通してすごく感じてらっしゃいますよね。
ブログにもご意見をきちっと書かれてて。
ベネディクトも、マスコミ(パパラッチ)にたいしてかなり厳しい立場をとってるようですね。
ほんと、いやな目にはあってほしくないですね><
>そんなことに関心を向けさせてくれただけでも、この映画に出る意味があった
ほんとうにそうですね。
ベネディクトの作品とか活動を通して、世界がほんとに広がりますよね。
こんな俳優さん、はじめてです・・・
最近は『イミテーション・ゲーム』の数学者アラン・チューリングのことを
ちろちろと調べたりしてます^^
最近のアメリカNSAの盗聴スキャンダル(ドイツの首相の電話の盗聴騒ぎだとか、ブラジルの首相が盗聴されたことを怒って米国訪問を取りやめただとか)はとんでもない方向に発展しています。アメリカは国として今Fifth Estateのような映画をプロモートしたくない状態だと思います。米国国内ではオバマ政権を批判するけれど、外に向っては余り悪く言われたくないような、ある意味自然な感情がリベラルなメディアの中でさえもあるような気がします。本来なら「過去形で風化しかけているはずのできごと」がスノードンの活動のせいで夏に蒸し返され、盗聴の国際的な大騒ぎが映画封切りに前後してあったことはかなりアンラッキーでした。米国の立場を弁護する立場にないこの映画を「お薦め」するのはちょっと難しい文脈があると思います。
ところで、映画を見ていないから良くわからないのですが、ベネディクトがアサンジを3次元の人間として演じたことで話が分かりにくくなったのでしょうか一元的な話や表現に慣れている監督や評論家にはついていけなかったのでしょうか?(まゆみさんへの質問かも。)
とまれ、ファンは映画評、ゴシップにとってもセンシティブになりますが、今のところベネディクトの集客力に疑問を挟んだのはエンターテイメント1誌。それに対しても、(まゆみさんがおっしゃているとおり)ヴァラエティ誌は反論しています。それに較べて一般誌のタイムの記事などはベネディクトを非常に高く買ったいい記事でしたね。
ところで私はマイケルケーンの役者としての歩み方が好きなのですが、彼はアクターとスターを区別しています。様々なインタビューを通してベネディクトはスターパワーのおかげで色々な役が来るようになったことに感謝をしているけれど、それはアクターとして幅が広がるからと言っています。まさにファイアーさんの言う
>マスコミのことばに振り回されないようにしないといけない。その意味でベネディクトは、ほんとうによくふんばって、がんばっている
です。
ここ10日程忙し過ぎて日課の「カンバーバッチググり」もまともにできませんでした。すると面白いんです。ファイアーさんが言うとおり「山あり谷あり」、それも1日毎に最初にひっかかるニュースが違うんです。インスタントグラティフィケーションの今の世の中、ニュースが広がるのも早いけど風化するのも早い。一番大事なことは一歩一歩役をこなして革新をしていくこと。その成果と努力だけが実力を証明することになる(結局、それは今も昔も変わらない。)
ところで、ファイアーさんの
>ファンの側にも失敗をゆるさない空気がもしできてしまうとするなら、それもちょっと危険ではないか、
うんうんと頷きました。これまで開花するのにかなりの回り道をしてきたベネディクトです。落とし穴や運の力も良く分かっているに違いありません。うろたえているのはファンばかりかも。
たしかに、いま盗聴騒ぎがあって何ともタイムリーというかアンラッキーというか・・・?
逆に宣伝になったり、とかいうことはない・・・のかな?
そこらへんが、やはり日本からでは感じとれないところですので、
こうしてまゆみさんとkuwachannさんに教えていただけてすごくうれしいです。
>今のところベネディクトの集客力に疑問を挟んだのはエンターテイメント1誌
そうだったんですね。良かった^^;
いやーたぶんわたし自身がひやひやしてビビっていて、
ついこういう記事を書いちゃったりしたんですね。
批判記事なんていやでたまりません!が、そういうのもひとつくらいはあるほうが
宇宙のバランスがとれるのかな?とも^^
それにしてもベネディクトはよく平常心でいられるなあ・・・フリでしょうか(笑)
たとえフリでも、ああしてどっしりしていてくれるとうれしいですよね。
たぶん心は乱れるでしょうね~~。ファンのそれもおばさん達でさえ千々に心が乱されてしまうのですから。今忙しく映画つくっていることが救いかもしれないですね。きっとメディテーションをして心を落ち着けて仕事をしてるんじゃないでしょうか(笑)
前のコメントのタイトル「こんなものなのかもしれない」としましたけれど、いいことばっかりあるはずはないですよね。You have to pay your dues. この言葉が頭に浮かびました。