レッドジョーカー(タイフウジョオー08)
100年以上日本に根付く在来牝系の出身、名門の底力を誇示
TAIFU JO O
- 父: キングヘイロー
- 母: タイフウジョオー
- 母の父: サンデーサイレンス
- TYPE: 牡・黒鹿毛
- BIRTHDAY: 2008.04.07
- AGE: 2歳
- BREEDER: 北海道新ひだか町・水上牧場
美浦・藤沢和雄
- 一口出資額:75,000円(税込)/ 400口 満口終了
日本土着の名門アストニシメント系の流れを汲む確実性の高い母系
2歳10月の新馬戦、11月の500万下赤松賞を連勝し、エリート路線に乗った母タイフウジョオーですが、重賞では好成績を収められず、結局、クラシックレースへの出走は叶いませんでした。充実期を迎えたのは、4歳8月から5歳5月にかけてで、900万下鎌ヶ谷特別勝ちを含め、この時期に14戦2勝2着5回3着3回5着2回と安定感抜群の走りを披露しました。繁殖牝馬入りしてからは、これまでに4頭の中央競馬勝ち上がり産駒を輩出。なかでも、4番仔となる現役3歳馬エイシンタイガーは、OP特別葵Sに勝ち、G3CBC賞2着、G2京王杯2歳S3着と、一流短距離馬への道を邁進しています。6番仔となる牡駒タイフウジョオー08は、父にG1高松宮記念勝ちの追い込み馬キングヘイローを迎え、決め手に優れたマイラー、スプリンターへと成長してくれるはずです。
母系は、ダービー馬クリフジ、桜花賞馬ブロケード、G1・4勝のメジロマックイーン、天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップなどを送り出した、日本土着のアストニシメント系の流れを汲む名門。タイフウジョオー08の近親には、8勝をあげたシュンサクオーザ、平地と障害戦の双方で活躍したユーワハッピー、公営競馬の一流馬であるヘイセイエルザ、トムファイターなどがいます。芝、ダートともにこなせる力強いスピードと、コンスタントに能力を発揮する確実性の高さが母系の特徴です。
馬格もあって軽さもある好馬体
―― キングヘイロー産駒は初めてということですが。
藤澤和師 そうなんですよ。現役時代は、ウチの厩舎の馬とも何度も対戦していて、勝ったときもあれば負けたときもあるんですが、あの頃からキングヘイローはすごくいい馬だった印象があります。最後は1200mでGⅠを勝ちましたが、能力が高かったのでいろんな距離に対応してましたよね。血統も超一流ですし。だから、やってみたいと思ってたんですけど、なかなかその機会がなくて。今回、縁あってやらせていただけることになって、すごく楽しみにしているんですよ。
―― 馬体の印象はいかがですか?
藤澤和師 1歳のこの時期にしては、馬格は十分ありますね。それでも、幅がすごくあるわけではなく、軽さもあって、ちょうどいい感じの薄目の体型なんですよね。脚元も、見たところまったく問題ないですよ。顔も敏感そうでいいですね。
―― デビュー時期は、どのあたりになりそうですか?
藤澤和師 今の段階の体つきを見れば、そんなに遅くなることはなさそうですよ。順調に行けば、札幌の後半の開催の芝1800mあたりから使うのがよさそうですね。たぶん、調教をやり始めたらすぐ仕上がるタイプだと思います。
―― では距離適性も含めて目標を教えてください。
藤澤和師 体つきを見ていると、距離はまず大丈夫でしょう。長いところでもこなしてくれると思います。目標は、もちろんクラシックですよ。
強い気性の持ち主で能力の高さは折り紙付き!
―― 母タイフウジョオーは、水上牧場の生産馬で、4勝をあげた活躍馬でもありましたが、この馬の性格は?
「いかにもサンデーサイレンスの牝駒らしい、勝ち気な性格の持ち主です。繁殖牝馬としても、その性格は、よく産駒に伝わっています。ということは、ウルサい仔が多いということですね(笑)。ただ、その気性の強さがあるからこそ、エイシンタイガーを始め、産駒がみな中央競馬での勝ち上がりを記録しているのかもしれません。まあ、元来持っているスピード能力が高いことは間違いないでしょう」
―― タイフウジョオー08も、やはり母の産駒らしい気性の強さを持っているわけですね?
「この仔は、これまでに生まれた産駒のなかでも、もっとも気が強く、まさに“怖いもの知らず”でしたね(笑)。人間に対しても、とても従順とはいえなかったし、ほかの馬に向かっていくところもありました。ただし、当歳の12月に育成牧場の方に預けてからは、だいぶ人間のいうことを聞くようになってきました。育成牧場での評価は極めて高く、エイシンタイガーを含めても、兄弟のなかで一枚上の能力の持ち主だといってくださいました」
―― 父にキングヘイローを配合した理由は?
「特には、ないです(笑)。まあ、キングヘイローの母であるグッバイヘイローには、前々から興味があって、その血を入れたいという思いはありました。結果的に、タイフウジョオー08には、ヘイロー3×3のインブリードができましたが、これが競走に行ってのピリっとしたところに繫がってくれれば、うれしいですね」
―― 母タイフウジョオーは、日本の古い牝系であるアストニシメント系の継承者ですが、こういった母系の長所や魅力は?
「実は、日本土着の牝系へのこだわりは、あまりないんです。タイフウジョオーの母系は、とにかく確実性が高いので残している。ウチは海外の繁殖牝馬セールでも馬を買ってきているのですが、なかなか産駒が走ってくれないのが、悩みの種です(笑)」
―― 競走馬として、タイフウジョオー08に期待することは?
「半兄のエイシンタイガーよりは、長い距離で活躍してくれると考えています。皐月賞、ダービーといったところに出て、ワクワクさせてくれたら、いうことはないですよね」
10.04.26
産地馬体検査を受検しました。
10.04.15
(山口ステーブル)
1000m坂路1本(ハロン20秒)、キャンター3200m、日によって坂路、コースで速い時計を消化。馬体重496キロ。
山口氏「この中間も変わりなく順調ですね。週1回、坂路では3F40秒を切るところまでやっていますし、坂路で追った翌日はコースで調教していますが、5Fから70~40秒くらいの時計は出しています。普段はまだ遊び遊び走るようなところがありますが、速いところにいけばピリッと集中します。それだけに競馬にいっても良いタイプだと思いますね。これだけやってもへこたれることはないし、変にテンションが上がることもないですよ」
10.03.31
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週3回坂路(7~10日に1回15-15)。
山口氏「たくましい馬体は目を見張るものがありますね。フットワークにも余裕があって、この時期の若駒にしては非常に大人びています。29日から上の屋外コースが使えるようになったので、馬もノビノビ走ることができます。距離は同じでもコース形態で馬の感じ方は違いますからね。やはり広々とした方がいいと思います。坂路で一度、15-13-13秒くらいのラップを刻みましたが、その後も特に問題ありません」
10.03.15
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週2~3回坂路。
山口氏「ようやく姉が勝ちましたが、抜け出してからもフワフワしていたように少し気持ちに幼さがあるんですよね。エイシンタイガーも少しそういうところはありますよね。ただ、この子は今の時期の姉と比較しても走りに対する集中力が上。競馬でもしっかり能力を出せるタイプとみています。3月下旬から外の大きな馬場が使えるようになりますが、早く広い馬場での走りを見てみたいですね。この子は夏からいけると思います」
10.02.26
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週2~3回坂路。
山口氏「とにかく順調。乗りながら芯が入ってきましたよ。先生がどうするかにもよりますが、今の感じなら、かなりの確率で夏からいけると思います。うちの馬たちは、どの子もある程度のところで、筋肉の疲労をとる治療を行うのですが、この馬もそろそろ時期だったので獣医のチェックを受けたら、まだ筋肉が傷んでいないとのことでそれも先延ばしになりました。おそらく筋肉の質が良いのでしょうね。姉のウォンビーロングは道中リキむところがあって、まだ未勝利に甘んじていますが、この子は道中はゆったり走れるので終いに脚を使えるんじゃないでしょうか」
10.02.15
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週2~3回坂路。
担当スタッフ「良い意味で変わりなく順調です。この時期の2歳にしては、心身ともにしっかりしているし、特に注文はありません。今の感じなら、早めのデビューを目標にできそうですよ。気持ちの面でも成長が感じられるし、このままの感じで進んでくれればいいですね。明日からは坂路の本数を2本に増やす予定です」
10.01.28
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週2~3回坂路。
山口氏「この中間も順調ですね。坂路でハロン18秒くらいなら楽に出せますよ。いつでも15-15を始められる状態ですが、この時期からあまりやりすぎても良くないですからね。馬の状態に合わせて、無理のないメニューを組んでいます。グリーンチャンネルの取材でお気に入りの子を紹介してほしいと言われ、この子を挙げさせてもらいました」
10.01.15
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400~3000m、週2回坂路。
山口氏「年を越しても変わらず順調で、距離も3000mまで延ばしています。週2回は坂路にも入れてますよ。タイム的には終い18秒くらいのところですね。乗りながら筋肉がついて、ハリも十分。やんちゃなところがありましたが、乗り出すと素直で、きわめて順調。早いうちから活躍してくれそうです」
09.12.28
(山口ステーブル)
BTC施設内でダクとキャンター2400m、週2回坂路。
山口氏「週2回の坂路は1本目に25秒~22秒、2本目に22秒~18秒までやっています。元気いっぱいで体もしっかりしているので、早い組の中でも一番中身の濃い調教ができていますよ。もう15秒くらいならやれる体力はあるのですが、今時期から仕上げすぎてもいいことはないですからね。今は我慢して1月中に15-15を始めたいと思います」
09.11.27
(山口ステーブル)
BTCのトラックコース・坂路コースを併用してハロン25秒のキャンターで調整。
山口氏「ハッピーネモさんでしっかり基礎を作っていただいていたので、スムーズに調整に移行できました。当初は屋内直線ウッドでダク2000m、キャンター2000mを乗っていましたが、だいぶ体力がついてきたので、現在は600mのトラックコースをメインに乗り込んでいます。今週からは坂路も併用しているように極めて順調ですよ。性格は男馬らしくとぼけたところがありますが、しゃかりきになりがちだった姉よりはこのくらいの方がいいかなと思っています。現時点でもフォームが安定してどっしり構えています。これからどう成長してくれるか楽しみです」
09.10.30
(ハッピーネモファーム)
馴致を無事に終え、11月1日に山口ステーブルに移動予定。
担当スタッフ「セレクトに出ていたくらいなので人とのコミュニケーションは問題なかったし、馴致もスムーズにいきました。気持ちの勝ったところがありますが、うるさいというよりは闘争心の高そうなタイプ。この辺は父譲りですかね。乗っての印象は、姉のウォンビーロングをパワーアップした感じ。スピードもありそうです。よい形で山口さんにバトンタッチできますね」
09.08.14
【2009.8月測尺】
馬体重440 体高156 胸囲175 管囲20.4
【予定育成先】
ハッピーネモファーム→山口ステーブル