The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

イアーゴ

2009年01月26日 | Weblog

「俺は信じる、自分に似せ俺を作った残忍な神を、
そして怒りを込めて呼ぶのだ。
俺は取るに足らぬ
卑しいものとして生まれついた。
俺はそれゆえに極悪非道
俺は自分のなかに生来の卑しさを感じる。
そうだ、これが俺の信条だ!
後家が神を信じるように
俺は堅く心に抱いている、
俺が考え、俺から生じる悪は
俺の宿命によって、俺が成就する。
俺は、正義が姿も中味も
ふざけた道化であり、
その中にあるすべてが偽りであると信じている。
涙、口付け、眼差し
犠牲、そして名誉までも。
俺は信じる、揺り籠の赤子のときから、
墓場の蛆虫となり果てるまで
人間は邪悪な運命に持てあそばれるものだと。
それから?死とは虚無である。
天上とはふるくさいほら話しなのさ。」


「ああ!神よ奴(カシオ)に多く命を与えて下さい。
その一つは俺の怒りの犠牲となるのだ。
ヤーゴ、俺の心は冷え切っている。
慈悲深さは、俺のもとから去れ!
俺はこの虚しい愛の全てを天空にふきとばすのだ。
俺をみろ、それは消え去った・
毒蛇が俺をとぐろで
しめつけている。!
ああ!血だ! 血だ!血だ!
そうだ。俺は誓う、冷淡な天にかけて!稲妻にかけて!
死神にかけて、破壊的な暗い海にかけて!
今すぐにも広げたこの手が
怒りと恐ろしい激情の火花を散らすだろう!」


ヴェルディのオペラ「オテロ」のイアーゴのアリア(?)から。

いいですねーーー、この歌詞。
「信条」credo [ラテン語]とは「ミサ典礼における聖歌の一つで、「われは信ず」の意」だそうです。
ちょっとアルチュール・ランボーみたいです。しかもエリックな感じ。


そういえばポーの詩で「勝ち誇る蛆」というのがあるようですがどんなでしょうね?これは二重構造氏が言っていた詩なのですが興味をひかれます。
コテハンが「蛆栗」なのも「蛆」と言うのが気に入ってのことです。

「栗」というのはエリックの激情迸る拷問部屋の場面を彼が「焼き栗売り」とのダブルイメージと言う解釈をしたことへのあてつけです。
拷問部屋が灼熱を帯びるのと、栗が焼けるのが同じ、と言うのは永遠に納得できません。
だから個人的に私はクートリーヌは「年代破り」としては認めていないのです。

でも彼からは色々教えてもらったのでいなくなってしまったのは残念です。

ちなみにパリの焼き栗はとっても美味しいそうですよ。
いつかまたパリに行ったら食べてみたいです。前回冬の旅だったのに見かけなかったけど・・・。

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