The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

ガブリエル・クラウス

2007年03月13日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
世界的に有名なソプラノ歌手。
彼女は1842年にウィーンで生まれ、「フィデリオ」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」などで次々と成功をおさめました。

パリではオペラ座にアレヴィの「ユダヤ女」でデビュし、絶大な声価を獲得しました。以後、「ユグノー教徒」「アフリカの女」「ドン・ジョヴァンニ」「アイーダ」「ヘンリー8世」などへの出演が続きました。

またグノー「ファウスト」「ポリュークト」「ロメオとジュリエット」にも出演。

これらは「オペラ座の怪人」に出てくる主だったオペラです。
「ファウスト」はクリスティーヌを誘拐する時、「ポリュークト」は作品中最初に出てくるオペラ、「ロメオとジュリエット」は怪人が楽屋のクリスティーヌに歌いかけ、クリスティーヌも歌っているオペラです。


この歌手に対してかのロッシーニも
「きみはきみの魂で歌っている。しかもきみの魂は実に美しい」と言っています。
(・・・怪人も「きみの魂は美しい」と言ってクリスティーヌを讃美したりしてますが、この部分はロッシーニにあやかって?)


この歌手は「オペラ座の怪人」の中で見事だが心のない歌い方をするカーロッタに対する当てこすりのようにチラっと登場します。
(p121 p72 角川)


話は変わりますが・・・
カーロッタに歌う事を妨害する怪人の底意地の悪さはいいですね。そして負けてないカーロッタもいい味してます。根性が座っているというか、勝気というか。

「今夜舞台に上がったら、歌を歌っている最中に大きな幸いに見舞われると覚悟しろ・・・・死よりも恐ろしい災いに」

という手紙に対して

「何か悪質な陰謀よ。でも私はそんなことで怖気づくような弱虫じゃないわ!」

さらに怪人がアパルトマンの外に霊柩車を停めて怖がらせようとしてもかえって奮起し

「たとえ瀕死の重病でも今夜は絶対に歌う!」

と言っています。


いいなぁ~、このあたり。





ちなみにガブリエル・クラウスはウィーン・フィルの歴史的な名指揮者の一人クレメンス・クラウスの大叔母に当たります。

このクレメンス・クラウスは端正で貴族的な美貌の持ち主なので憧れの人でした。
以前、少年合唱団が好き、と書きました。その大好きな合唱団の一つにウィーン少年合唱団があるのですが、クレメンス・クラウスも団員でした。

管理人は子供時代、彼のおおきな写真が宝物でした。合唱団のソリスト時代の写真でした。変声期前の少年時代のですね。





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