The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

ウラディミール・ホロヴィッツ

2006年08月05日 | Weblog
ムソルグスキー「展覧会の絵」
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」

久しぶりにこのアルバムを聴いたらあまりの偉大さに感動しました。
特に前者では「殻をつけた雛の踊り」「鶏の脚の上の小屋」「キエフの大門」が好きです。
うまく言えませんが、鋼のような悪魔的な轟音、地底から響くような低音、突然降り注ぐこぼれんばかりの美しい音、宗教画の空の青を思わせるような清澄さ・・狂った道化師のおぞましさ、沼地の汚濁・・・オクターブ・・・「殻を・・・」のコミカルさは狂気を感じます。天才ですね。圧倒的です。神様です。

後者は以前は第1・3楽章ばかり聴いていたのですが、2楽章も美しいです。ロシアですよ、ロシア。ロシアの大地を幻視させます。
トスカニーニとの共演です。NBC交響楽団


一番エリックを感じさせる魔性の音楽家です。


今夜は彼の61年ぶり(!)の故郷ロシア(ソ連)公演のLDでも見るつもりです。(1925年亡命) モシュコフスキー「火花」  シューマン「トロイメライ」

アザラシ

2006年08月05日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
たいていのアザラシは、塩からい海にすんでいます。ところがなぜか湖に、それも淡水にすむアザラシがいるのです。そのアザラシは、ロシアのバイカル湖にいるのでバイカルアザラシとよばれています。このアザラシは、ゴマフアザラシよりも体が小さく、黒褐色の毛皮をもち、ふつうのアザラシよりも大きな目と長い爪が特徴です。

バイカルアザラシがどうして淡水のバイカル湖にすむようになったのかよくわかっていません。バイカル湖がどうやってできたのかよくわからないからです。いくつか仮説はあります。一つめは1000万年前~1200万年前に海にいたアザラシがなんらかの原因で湖にとじこめられたというもの、もう一つは150万年前に北極海にいたアザラシが川をさかのぼって湖にたどりついたというものです。



このほかにワモンアザラシの祖先がバイカルに進化し、何回かの氷河期にできた川や湖を北上してバイカル湖にすむようになったという考えもあります。バイカルアザラシのほかに、北アメリカなどで淡水にすむワモンアザラシがいます。

また淡水ではありませんが、ロシアのラドガ湖やフィンランドのサマー湖にワモンアザラシが、イランとロシアなどの国境にあるカスピ海という湖にカスピカイアザラシがすんでいます。これらのアザラシもどうして湖にいるのかよくわかっていません。

バイカルアザラシは、バイカル湖の水の汚れが問題になっています。また、カスピカイアザラシは19世紀からたくさん捕えられたため、絶滅するおそれがあります。

どうして「オペラ座の怪人」と「アザラシ」なのでしょう?実は原作中に何度となく「アザラシのように荒い息をして・・・」という表現が出て来るのです。
最初の頃、「アザラシ」は私の「音楽の天使」のイメージを壊してくれましたが、もしかしたらエリックの身体の衰えを表しているのかもしれません。
しかもフランス人やペルシャ人が「アザラシ」って・・・ですが、なるほどカスピ海にもアザラシがいるのですね!!

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

2006年08月05日 | 映画について
エリックに演奏してもらいたい曲は・・・映画を見た直後から一貫して「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」です。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番といえば「シャイン」です。ジェフリー・ラッシュが本人デヴィッド・ヘルフゴットをそっくりに熱演。(キャプテン・バルボッサもいい味だしてます)
父親の音楽への異常なまでの執着を背負わされた繊細なピアニストの実話。
子供に「友達を家に呼ぶな」といい、世間を拒絶してかたくなに生きる頑固な父親の背後には貧しいユダヤ人への差別への憎悪がある。父の期待に応えようと全力を尽くしてピアノを弾いてきたのに、いざ世界に一歩踏み出す時に、父親のその憎悪が羽ばたくことを許さない。
父親は苦労人で家族もそれが解っていて思いやりに満ちているのに、「憎悪」が全てを破綻させるのです。
結局、デヴィッドは家を出ますが、父親が許してくれていないことから苦悩しています。音楽学校のコンクールでは父親の一番愛した(難曲だから気に入ってた?)「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」を選曲。完璧な演奏は凄まじい練習を要するのですが、冬のロンドンの寒さの中で凍えながら、パンをかじりボロピアノで猛練習する場面が感動的です。彼は父親に受け入れて欲しい一心なのでしょう。優勝を果たすのですが息子の成長を認めず冷たく拒絶、デヴィッドは精神を破綻させます。もちろんピアニストとしても夢を断たれます。

後半は結婚相手に出会いピアニストとして少しずつ復帰していきます。
最後は正常な人間として、ピアニストとしての大半を奪った父親を許して終わるのです。
あの父親にデヴィッドはあまりにもあまりにも繊細すぎた・・・としかいいようがありません。お互いに何の発展もない殺しあうような個性のぶつかり合いが悲しすぎます。失ったものが大きすぎます。そしてそんな二人でありながら愛し合っている・・・。愛してなければこんな悲劇は起こらない・・。

父親を許す過程で夫人の献身的で母性的な優しさが際立ちます。おかげでピアニストとしても徐々に復帰・・。

でなければなかなか許せないでしょう・・・。

許すというのはなかなか難しいものです・・・。失ったものが大きければ大きいほど・・・!



僕は生きてる

そして人生は続いていく  永遠に・・

永遠に?(妻)

いや だけど
途中で捨てないで生きていく それが人生だろ?



青年期・・・「チャリチョコ」のお父さん・ノア・テイラー
中年期・・・「パイレーツ・・」のキャプテン・バルボッサ ジェフリー・ラッシュ(ピアノがうまい!ピアノを弾く演技がうまい?リストのハンガリー狂詩曲 第2番は本当に弾いてたなかな?)

ブラームスのピアノコンチェルトNO.2もいいです