The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

定期市  場面11

2006年08月03日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
その昔、ウプサラ近郊の小さな村に一人の農民が住んでいた。
彼は家族と一緒に暮らし、ふだんの日は畑を耕し、日曜日になると教会で賛美歌を歌っていた。
その農民には娘がいた。
彼は、娘が文字を読めるようになるずっと前から、彼女に楽譜の読み方を教えた。

クリスティーヌの父は、自分ではそうと気づいていなかったかもしれないが、偉大な音楽家だった。

彼はヴァイオリンを弾き、スカンジナビア随一の<村祭りのヴァイオリン弾き>とみなされていた。
彼の名前は四方に知れわたり、結婚式などの祝い事があるたびに招かれてダンスの演奏をした。

彼は縁日から縁日へわたりあるいてヴァイオリンで北欧のメロディーを奏でた。
娘はいつも父のそばにいて、父の演奏にうっとりと聞きほれたり、ヴァイオリンにあわせて歌ったりした。

(角川P81・82)


絵はロシアの定期市を描いたものです。エリックもクリスティーヌもオペラ座が舞台なものの背景に民俗的な匂いがしないでもありません。

最近ではエリックが左官屋さんとか石造請負人の息子でも一向に構わなくなりました。・・・かえって可愛いような気がします(^^)
<村祭りのヴァイオリン弾き>の娘とか・・・。うん、萌えます。

しかしどうしてエリックがダーエ・パパの得意な曲「ラザロの復活」を知ってたのか・・・?
あああ・・「実は昔、縁日で二人は会ったことがある」という時間を無視した妄想が・・・私を襲うジプシーに連れられているか、一人でテントで興業しているかは分からないけれど、幼い二人がどこかで会ったことがあるという設定は大好きです。


モスクワ マリアの森で催されたセミークのグリャーニエ(縁日)
1845 ロシア美術館蔵