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- 無用の用 -

『ANOTHER MONSTER(もうひとつのMONSTER)』

2009-08-22 19:32:09 | 本 2009
『もうひとつのMONSTER―The investigative report』ヴェルナー・ヴェーバー/浦沢直樹,(訳)長崎尚志



【商品の説明】(Amazon.co.jp)
1995年から2002年にかけて「ビッグコミックオリジナル」誌上で連載され大反響をよんだ『MONSTER』に関するノンフィクション「風」読みものである。2000年のある医院での惨殺事件を発端に、ヴェルナー・ヴェーバーというジャーナリストがヨハン・リーベルト事件の謎を「取材」する、という体裁で、現地の写真や資料を差しはさみながら進行していく。もちろん答えは明白であるのだが、最後まで本書がフィクションなのかノンフィクションなのか、はっきりと記述されることはない。

ヴェーバーの取材をうけ、エヴァや、ルンゲ警部といったあの面々の口からさまざまな真実が語られていく。「顔写真に関しては、撮影を固辞する人が大多数を占めたため、インタビュー後、わたしの記憶にある彼らのスケッチを載せることで代用した」とあるように、スケッチ風に生き生きと彼らが描かれているのはファンにはうれしいところ。

多くの謎を残したまま終わった『MONSTER』の続編やサイドストーリーが多くのファンから熱望されていたことは間違いないが、実際に漫画として描かれていたら、興ざめだったかもしれない。それを、この第3者の目を通した「ノンフィクション」という形で描ききった浦沢の鮮やかな手腕には脱帽である。本書のラストでは、漫画では描かれなかった「事実」の片鱗がちらりと語られていて、新たな謎を残す。ファンの悶々とした気分は、当分消えることはなさそうだ。(門倉紫麻)



『MONSTER』を読み始めたときに、こちらの本があるのに気付いて、読み終わってすぐに注文をしていた。
ずっと前に届いてはいたものの、漫画とは違うあまりの活字っぷりに(当たり前なんだが)ちょっとすぐに読む気になれなかった。
でも、そろそろ読まないと私のことだから『MONSTER』の話自体忘れちゃう、と思って焦って読んだ。

いやー面白かった。
実に面白かった。
ブクログでは、星4つにしているけれども、4.5で5にしてもいい感じ。
でも、ちょっとそれもなーって感じで、4.4の4といったところか。
もう少し遅くなっていたら、それこそ誰がどんな人だったかわからず、wiki片手に読む羽目になっていただろう。
・・・実際ちょっとそうだったのだけど。


【商品の説明】の最後の「ファンの悶々とした気分は、当分消えることはなさそうだ」は、本当にそうだ。
「え?え?一体どういうことなの?!」という気分がふくらみちょっとネットで調べてしまった。
まあ、色々な解釈の仕方があるもんだなあ。


今回はちょっとネタバレを含んでいるかも。


















何を隠そう【商品の説明】に「答えは明白であるのだが、最後まで本書がフィクションなのかノンフィクションなのか、はっきりと記述されることはない。」と書かれている通り、これはフィクションなのだけど、とてもフィクションだとは思えない。
読んでいる最中で何度わけがわからなくなったことか・・・。
どこまでが本当で、どこからが架空なのか、一瞬わからなくなる時が多々あった。
この中だけのものなのに、新聞記事や写真(これは実際のところが多分にあるだろうが)、本やアニメなどが実に、本物っぷりを出している。

そして、結局のところ、これは浦沢氏が考案して、長崎尚志が書いた、んだよね・・・?と確認したくなる。
そうすると、疑問になってくるのは、じゃあこの表紙の見開きにある「ヴェルナー・ヴェーバー」なる人物は一体誰なんだろう。しっかり、写真があり、経歴まできちんと書かれている。

うーん、全体的に謎が深まっただけのような気がする。


だけど、作品名に「もうひとつの」と謳っているだけあって、本当に「もうひとつ」を感じられる。




一体ヨハンはどうなったのだろう。
漫画とこちらでは少し食い違っている部分があるのだ。
うろ覚えじゃなくって、実際に手元にまだ本があるから確かめたのだけど、やっぱり話の中の人たちが話すことと違う。
漫画では最後ヨハンは失踪している。病院の空になったベッドが描かれているのだ。
しかし、この中では、ヨハンは意識不明の状態、昏睡状態、と書かれている。
これは、最後のシーンまでの間に書かれたことなのだろうか。
いや、違う。事件は1998年に終結を迎えていて、この調査がされた、もしくは書かれたのは2001年なのだから。
一体どういうことなのだろう。

それと、『めざめるかいぶつ』の著者フリッツ・ヴァインドラー=ヘルマン・フュアーがここで出てきたのは何故?
ボナパルタが“朗読会”で、一人の絵本が描ける子がいるって言ってたらしいけれども、彼がその人だと思う。
そして、彼が「最後には・・・・・・終わりの光景には、わたしと彼だけがいるのだ」と言ったのは?
実際にヨハンと赤い薔薇の屋敷で会ったぽいけれど、それだけなんだよな。

なんか、“朗読会”と511キンダーハイムがごっちゃになるなあ。

あれ?チャレックって漫画版に登場した?してないよ・・・ね。
チャペックと名前が似てるから混同してしまう。

ボナパルタは絵本画家で赤い薔薇の屋敷で朗読会をしてたんだよな。
チャペックは?チャペックは、ボナパルタの意思を継ぐ者か。
で、チャペックはいわゆる眼鏡の男、か。
511キンダーハイムの天才的精神科医、とは誰だっけ?チャペックか?ボナパルタ?
あ、院長のラインハルト=ビーアマンか。後で改心して?愛情をもって子ども育ててたんだよな。

あー読めば読むほどわからなくなってきたなあ。




また読み返したい本の一つになった。
未だに上手く把握できていない。

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