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- 無用の用 -

54『ユージニア』恩田陸

2008-10-18 23:07:23 | 本 2008
恩田陸『ユージニア』


【内容情報】
「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。



久しぶりにハマりこんだ。
恐るべし恩田陸。

約400ページほどある本を今までにない速さで読んだ。ホント久しぶりだなあ、こんなスピードで本を読んだのは。いつぶりだろう。だいたいダラダラ読んで、これぐらいの厚さだと1週間はかかるのに、ほぼ3日ぐらいで読んだだろうか。
最後の方なんて気になって気になって仕方なかった。
電車の中で読んでいて、あまりにもキリが悪いし気になるしでホームを歩きながら読んで(どっかの銅像か)、階段に差し掛かって危ないからその手前で立ち止まって読んだ。


書き方が上手い。引き込まれる。
ほとんどの章は一人の話によって構成されていている。一人の人間がずっと喋っているのだ。章毎に人物が代わって話す。
そのなんて言うのか、伏線というのか、そういうのがすごい。

でも、読み終わった感じとして、実はあまり良くない・・・・・・。
犯人が誰かわからない。
犯人というのか、真相というのか。
ネットで色々見てみたのだけど、疑問はたくさん挙げられているのだが、肝心のところがわからない。
やはり自分で謎を解くしかないのか。
私に出来るだろうか。

これは繰り返し読んでも楽しめる本だと、読みながら感じた。
あまりミステリーでこういったことを考えることはないのだけど、これは一種違う種類のミステリーだと思う。いや、これはミステリーなのか?と考えてみたが、やはりミステリー以外の何物でもない。
最後まで読んで、改めて思った。
もう一度読んでみたい、読まないと、と。


印象に残ったところ。
 事実というのはある方向から見た主観に過ぎないということ