漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0961

2022-06-17 06:36:25 | 古今和歌集

おもひきや ひなのわかれに おとろへて あまのなはたき いざりせむとは

思ひきや 鄙の別れに おとろへて 海人の縄たき いざりせむとは

 

小野篁

 

 思いもよらなかった。都から遠く離れた田舎暮らしに落ちぶれて、漁師の釣り糸を繰って漁をするようになるとは。

 詞書には「隠岐国に流されてはべりける時によめる」とあります。初句の「や」は反語。「鄙」は都から遠く離れた田舎、「おとろふ」は落ちぶれる意で、落ちぶれて流罪の地にあるわが身の嘆きの詠歌となっていますね。なお、流罪の理由は遣唐使派遣拒否等により時の帝である第52代嵯峨天皇の怒りをかったためですが、2年後、赦免されて都に戻っています。



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