漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0993

2022-07-19 05:55:29 | 古今和歌集

なよたけの よながきうへに はつしもの おきゐてものを おもふころかな

なよたけの よ長きうへに 初霜の おきゐてものを 思ふころかな

 

藤原忠房

 

 なよ竹の節の間のように長い夜に初霜も置いて、起きたまま座って物思いにふける今日この頃であるよ。

 詞書には「寛平御時に、唐土の判官に召されてはべりける時に、東宮のさぶらひにて、をのこども酒たうべけるついでによみはべりける」とあります。「唐土の判官」とは遣唐使のこと。「東宮」は後の醍醐天皇です。遣唐使に任命され、危険な旅を控えて思い悩んでることを歌にしたものですね。「よ」は「節」と「夜」、「おき」は「置き」と「起き」のそれぞれ掛詞になっています。