漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0976

2022-07-02 05:45:30 | 古今和歌集

みづのおも におふるさつきの うきくさの うきことあれや ねをたえてこぬ

水の面に おふる五月の 浮草の 憂きことあれや 根をたえて来ぬ

 

凡河内躬恒

 

 何か いやことがあるのか、水の表面に生える五月の浮草に根がないように、近頃はさっぱり音信もなく、訪れてくれないのだね。

 詞書には「友だちの久しうまうで来ざりけるもとに、よみてつかはしける」とあります。無沙汰している友への恨みごとの歌ですね。