古今和歌集 0985 2022-07-11 05:32:56 | 古今和歌集 わびびとの すむべきやどと みるなへに なげきくははる ことのねぞする わび人の 住むべき宿と 見るなへに 嘆き加わる 琴の音ぞする 良岑宗貞 世を憂う人が住むのにふさわしい家と見ていると、嘆きがいっそう増すような琴の音が聞こえてきた。 詞書には「奈良へまかりける時に、荒れたる家に女の琴弾きけるを聞きて、よみて入れたりける」とあります。歌意はわかりやすいですね。 作者の良岑宗貞(よしみね の むねさだ)は僧正遍昭の出家前の名で、0091、0872 にもこの名での歌が採録されています。