漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0995

2022-07-21 05:56:32 | 古今和歌集

たがみそぎ ゆふつけどりか からごろも たつたのやまに をりはへてなく

たがみそぎ ゆふつけ鳥か 唐衣 たつたの山に をりはへて鳴く

 

よみ人知らず

 

 誰の禊(みそぎ)のために木綿(ゆふ)をつけた鳥なのか、竜田の山にしきりと鳴いているのは。

 「ゆふ」は「ゆふ(つけ鳥)」と「木綿」の掛詞。「唐衣」は本来「裁つ」に掛かる枕詞で、ここでは同音の「たつ(立つ)」に掛かっています。「をりはふ」は「折り延ふ」で長く続ける意。古今集で「ゆふつけ鳥」が詠み込まれた四首の歌のこれが四つ目。他の三首は 053606340740 です。