漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0990

2022-07-16 06:20:13 | 古今和歌集

あすかがは ふちにもあらぬ わがやども せにかはりゆく ものにぞありける

飛鳥川 淵にもあらぬ わが宿も せにかはりゆく ものにぞありける

 

伊勢

 

 飛鳥川の淵にあるわけでもないわたしの家も、「瀬に」ならぬ「銭」に変わってゆくのであったよ。

 詞書には「家を売りてよめる」とあります。売ることによって「家」が「銭」に変わるということをおもしろおかしく詠んだというところでしょうか。0933 の歌を踏まえての詠歌と言われているようです。

 

よのなかは なにかつねなる あすかがは きのふのふちぞ けふはせになる

世の中は 何か常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる

 

よみ人知らず