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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【手伝い】 はなぜ「てつだい」?

2013-06-01 19:52:16 | 熟字訓・当て字
 前々から思っていたのですが、 【手伝い】 という言葉、どうして読みが 「てつだい」 なんですかね??

 「伝(つた・う)」 に 「手」 がついて連濁になったのなら、読みは 「てづたい」 になるはず。本来 「てづたい」 なのが、発音のしやすさ (しやすいか?) から転化したのか、あるいはこれは熟字訓と言うべきものなのか。
はて・・・

「顔」の見えない当て字

2013-05-25 16:46:55 | 熟字訓・当て字
 漢検対策として考えると、熟字訓・当て字にどのくらいの時間とエネルギーを割くべきかいつも悩みます。基本的には知っているかどうかだけですので、しっかりやれば得点源になりますが、一方で全問正解しても10問・10点でしかなく、そのためにカバーすべき単語数は正確に数えたことはありませんが、1,600くらいはあるでしょうか。

 さてそれはそれとして、今日書きたいことは当て字の「顔」について。私が勝手に「顔」と呼んでますが、当て字の字面の雰囲気というか、その読み方を醸し出すムードというか、そういったもののことです。当て字というのは、そもそも「どうしてそれでそう読むの??」って性格のものですが、その中でも、その読み方を雰囲気として醸し出しているものは少なくないと感じています。一方、どうもその「顔」が見えなくて、何度学習しても記憶に定着しないものも、これまたたくさんあります。

 まあ、どこまで行っても私の個人的な感覚の話ですが、「高襟」で「ハイカラ」みたいな理屈でわかるものは別として例をあげると

<「顔」の見える当て字>
【虎耳草】 ゆきのした  【落葵】 つるむらさき  【長寿花】 きずいせん

<「顔」の見えない当て字>
【金糸桃】 びようやなぎ  【東風菜】 しらやまぎく  【酔魚草】 ふじうつぎ

といった感じです。なぜ上の3つは顔が見えて覚えやすく、下の3つは顔が見えなくて覚えづらいのか、自分でも全然わからないのですが、後者に属する当て字には、本当に四苦八苦しています。紛らわしいものをしっかり区別することも含めて、どうしたらちゃんと覚えられるんでしょうねぇ・・・


 まあ、漢検教材(過去問や「辞典」)で何をどうやって勉強しても、そこに載っていない「日照雨」(そばえ。平成24年度第2回で出題。)なんてのを出されては、まったくお手上げですけれど。



<「漢検・漢字辞典 初版」の記載ページ>

 【虎耳草】  P.447
 【落葵】   P.1530
 【長寿花】  P.1047
 【金糸桃】  P.357
 【東風菜】  P.1130
 【酔魚草】  P.823

秋の七草

2013-05-19 12:26:56 | 熟字訓・当て字
 やっぱり、「秋」もまとめなきゃいけませんよね。
 例によって、() 内の数字は「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。

1.はぎ
【萩】 (687)  【胡枝花】 【胡枝子】 (451)  【芽子】 ( - )

2.ききょう
【桔梗】 (292)

3.くず
【葛】 (212)

4.ふじばかま
【藤袴】 (1147)  【蘭草】 (1537)

5.おみなえし
【女郎花】 (725)

6.おばな
【尾花】 (1276)
 ススキのことです。

7.なでしこ
【撫子】 (1323)  【瞿麦】 (368)
 【瞿麦】は「せきちく」とも読み、「なでしこ」と読むのはもともとは誤用だったようです。
(「せきちく」は「唐撫子(からなでしこ)」とも言い、「なでしこ」とは別の植物です。)


 「秋の七草」なんだから秋の植物かと思いきや、6~7月から花が咲くものも含まれていたり、夏の季語だったり・・・  なんだか良くわかりませんね。^^;

春の七草

2013-05-18 10:46:00 | 熟字訓・当て字
 春の七草についてまとめて見ました。

 もちろん漢検に向けた知識の整理のためではあるんですが、こうした「まとめる」という作業、それ自体が楽しいものです。^^ 
 それぞれの画像も載せたかったのですが、自分で撮った植物の写真などはないので、ご興味のある方はこちらのサイトなどでご自身でお調べいただければと思います。
( ( ) 内の数字は、「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)

1.せり
【芹】 【芹子】 (352)

2.なずな
【薺】 (862)

3.ごぎょう
【御形】 (319)
 別名「ははこぐさ」。 「ははこぐさ」は 【母子草】 ( - )   【鼠麴草】 (919) と書きますが、こう書いて「ごぎょう」とは読まないようです。

4.はこべら
【繁縷】 (1256)
 「はこべ」とも読みます。 【繫縷】 とも書くようですが、こちらは「漢検 漢字辞典」には載っていませんね・・・

5.ほとけのざ
【仏の座】 (1338)
 【元宝草】 (434) 【宝蓋草】 ( - )  も 「ほとけのざ」 ですが、こちらはシソ科の二年草で、春の七草のほとけのざ(キク科の二年草)とは別の植物です。七草の方は現在では 【田平子】 (1111) (タビラコ(コオニタビラコ)) と呼ばれている植物を指します。

6.すずな
【鈴菜】 ( - )  【菘】 (827)
 カブのことですね。「カブ」は 【蕪菁】 【蕪】 (1324) と書きますが、こちらもこう書いて「すずな」とは読みません。

7.すずしろ
【蘿蔔】 (1527)  【清白】 (852)
 言わずと知れた、ダイコンのこと。「ダイコン」は 【大根】 と書きますが、こう書いて「すずしろ」とは読みません・・・と、いうのを 【蛇足】 と言うんでしょうね。^^;


「海鼠」を含む当て字

2013-05-13 20:32:27 | 熟字訓・当て字
 勉強を続けていて、当て字にはいつも悪戦苦闘です。

 【海鼠】 は当て字で「なまこ」と読みますが、この【海鼠】を含む3文字の当て字がたくさんあります。まとめてみました。


 【海鼠子】  このこ
 【老海鼠】  ほや
 【乾海鼠】  ほしこ
 【熬海鼠】  いりこ (【海参】 とも書きます。)
 【海鼠腸】  このわた (【海鼠】 のはらわたを塩漬けにした食品だから、【海鼠腸】 と書いて「このわた」ですね。)
 【金海鼠】  きんこ

 こうして見ると、【海鼠】 の部分を 「こ」 と読む場合が多いようですね。



<「漢検・漢字辞典 初版」の記載ページ>

 【海鼠子】 P.174
 【老海鼠】 P.1597
 【乾海鼠】 P.230
 【熬海鼠】 P.519
 【海鼠腸】 P.174
 【金海鼠】 P.354