【香港】 ハリウッドロードを散策する

香港島、中環の丘の中腹を縫うように貫いているハリウッドロード（荷季活道）を歩いてきました。

出発点はヒルサイドエスカレーターを三つ上がったところです。ここはエスカレーターとエスカレーターをつなぐ通路から旧中区警署の白亜のレトロな建物が見えるので観光客の多くが足を止めて写真を撮るスポットになっています。その先から下に降りたところがハリウッドロードになります。通路の下、両側にはカウンターのある西洋風のバーが数軒並んでいます。週末ということもあって昼間からグラスを傾けている西洋人がちらほら。町並みは植民地時代の古い建物とそれらを取り壊して新しく建てた現代風の建物が混ざり合ってアジアでもない中国でもない風情です。この通りの特徴はアンティークショップが多いことです。陶器や家具を扱っているのはもちろんですが、唐三彩や石像など博物館にでもありそうなものを扱っているのがいかにも香港らしいところです。値札がついていないので想像がつきませんが、どんな人が買って行くのでしょうか？西に向かって歩いていきます。

リンダーストテラスとの交差点にはビルの一階に赤が印象的なパシフィックコーヒーというカフェがあります。ここはスターバックスが進出してくるまでは香港では数少ないコーヒーショップのチェーン店で今でも根強い人気があります。その向いあたりにはレトロ感あふれる黒い建物が見えます。一階が洋品店で上階はサービスアパートになっているようです。再び右側に目を転じるとマリリンモンローやチャップリンの大きなイラストが視界に入ってきます。アンティークの店でした。その先、左の角には昔ながらの亀ゼリーの店があります。亀ゼリーは亀の甲羅を使ったゼリーで苦いのですが、眼に良いということで香港では伝統的なデザートです。お洒落なカフェバーやアンティークの店が続いてその先の角にセブンイレブンがあります。隣はガラス越しに樽が見えたので近づいてみるとワインショップでした。その先も小ぶりのアンティークの店が続き、敷居の高そうなギャラリーもありました。

アバディーンストリートとの交差点 の角には最近人気のPMQがあります。この建物は元警察官舎を改装したもので雑貨の店や飲食店などが入居していてイベントも良く行われているので観光客も訪れるようになりました。その先右手は新しいマンションが数棟続いています。その中のひとつに入居しているセブンイレブンはガラス張りのモダンな店構えになっていました。そんな現代風な建物が途切れたところに突然のように、昔ながらの中華建築が現れます。文武廟という道教の寺院でうずまき線香で有名です。右手は階段状の路地になっていて眼下にいかにも昔の香港映画に出てくるような下町の眺めです。

文武廟の先はアンティークショップの密集地帯になっていますが、お客さんはほとん どいません。その先右に曲がってひとつ下ったところにある路地がキャットストリートでいわゆるガラクタ的なアンティークの店があり、観光客が群がっています。毛沢東やブルースリーが主役なのはこの界隈だけです。時代がかった一角です。ここを降りていくとほどなく地下鉄の上環駅に着きます。