日タイ、リタイア生活

日本とタイでのリタイア生活をつづります

2019GW 鉄道で行くスイス、イタリアの旅 (4) レーテッシュ鉄道 アルブラ線、 ベルニナ線をゆく~ 高低差1800mを走り抜ける世界遺産の鉄路

2019-06-02 | 2019 スイス イタリア
とんだトラブルになってしまったスイス初日だったが、良いこともあった。途中のクールからティラーノまでのレーティッシュ鉄道での移動だ。4時間以上の長旅にもかかわらず左右の車窓にくぎ付けになるほどまったく飽きさせない楽しいものになった。

9:58 クールから乗ったのはサンモリッツ行アルブラ線の電車、最後尾の一等車。ガラガラで一両をほぼ独占状態。チューリッヒでは小雨だったが天候も回復してきた。川沿いを走ったり、遠くの雪山と各集落には必ずある教会のコントラストなどついついカメラに手が行ってしまうが窓が開かないのが残念だ。
山肌を縫うように走ってトンネルをいくつもくぐる。Tiefencastel駅あたりでわざわざ車掌がやってきて、「あと5分で、ランドバッサー橋です」と教えてくれた。窓際に備付のテーブルには路線図がと見どころが示してありランドバッサー橋はこの区間で一番のポイントらしい。大きなアーチ橋を右にカーブしながらトンネルに入っていく。惜しいことに窓ガラスの反射が映り込んでしまう。11時過ぎ、Bergun駅を過ぎるとループトンネルの連続となる。下にいくつか線路が見えているがいずれも今までこの電車が通ってきた線路だ。



11:45列車は定刻にSamedan駅に着いた。このままサンモリッツまで行ってもよいのだが、この駅で短絡線に乗換えると一本早い電車に乗継ぎできるので我々もそうする。2番ホームから4番ホームへの移動となるが、片方が階段もう一方がスロープで地下につながっているのでスロープを伝ってスーツケースを引っ張っていく。乗換え時間は3分しかないので駅員が急いで、とせかす。今度はスロープを上ってPontresina行に乗り込む。電車とホームの間には2段のステップがあってスーツケースを引っ張り上げるのに苦労した。SamedanからPontresinaへは7分ほどで景色を堪能する前に着いてしまった。再びスーツケースを持ってスロープを上り下りする。ここでは乗換え時間が13分あるので急ぐ必要はない。ホームで電車を待っていると結構寒い。気がつかなかったが電車の中ではヒーターが効いていたのだった。

12時すぎ、サンモリッツを出たベルニナ線の赤い電車がやってきた。この電車のタイプだと先頭車と3号車の半分が一等車になっているが、よく見ると4両目の客車も一等車だったので迷わず4号車に乗り込む。一等車は片側が一席、反対側が二席のボックスシートになっていてすべての窓が開く。先頭の電車でなく客車にしたのはこの窓が全部開くというポイントだ。テーブル下にはごみ箱と電源がついておりトイレもある。普通列車としては豪華な設備だ。
気がつくと周りの景色はいつのまにか一面の銀世界となって雪がまぶしいぐらいだ。右側の席に移って窓を開け写真を撮り、終わったら窓を閉めて左にもどりまた窓を開けてパチリ、そして窓を閉める。座っている時間が少ない。そうしているうちに川の向こうに一瞬だけモルテラッチ氷河が見えた。



12:40 Ospizo Bernina駅に到着。この路線の最高地点2253m、クールが標高592mなので2時間半かけて1600m登ってきたことになる。次のAlp Glum駅にはレストランが併設されているのだがシーズンオフとあって閉まっていた。開いていたら途中下車してオープンテラスでぐびっと一杯やりたいところだ。ここから線路は急カーブを描きながら下っていく。ふと窓の外を見ると先ほどのレストラン駅舎がはるか上方に見えた。やがて雪の中に小さな湖が見えてきた。Cadra駅をすぎてまもなく下のほうに別の湖と集落が見えてきた。ポスキアーボの村だ。13:41 標高1014mの駅に到着。今度は1時間かけて1000m下ってきた計算だ。もうあたりに雪はない。この先車窓はポスキアーボ湖が右になったり、左になったりになる。
13:49 Le Prese駅。ついさっきまで山の中を走っていたのに今度は平地、それも道路の上を走っている。路面電車みたいだ。家とかすれ違う自動車と電車の間は1mぐらいしかない。14:00 窓の外畑ごしに対向列車待ちの赤い電車が見えてきた。もうすぐBrusioだ。
最後の見どころに向けて窓を開けて準備する。車掌がやって来て「もうすぐオープンループ」と告げていった。

Brusio駅を発車するとほどなく右前方にループ線が見えてきた。この先列車は橋を渡って右側に弧を描きながら高度を下げ直前に通った橋の下を潜り抜けていくのだ。何枚も写真を撮る。5分ほど走ると線路は再び家並みの中に入って路面電車化して庇ぎりぎりのところを通過していく。聖マドンナ教会の尖塔が見えてきたら終点のティラーノはすぐそこだ。14:23 電車は定刻にティラーノに着いた。単線で何度も反対方向の電車とすれ違ってダイヤ通りに運行できるとはさすがだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。