全ての原発を廃止する、それには私も賛同するが・・・

福島原発の事故以来、「原発が制御不能に陥った場合、とんでもない事になる。」と言うのを実感した私。

震災直後から３か月近く「輪番停電」で関東地方も大変だったが、その後何とか電力供給量が追い付き、「原発無しでも行けるんじゃね？」って感は有った。

(ちなみにこの頃は、「これなら、原発廃止を進めるべき。再稼働すべきでない。」と思っていた。)

 

しかし、そこに「カーボンニュートラル」の追い打ちが来たわけだ。

当時何とかなっていたのは、「廃止予定だった石炭火力発電所・石油火力発電所を延命して凌いだ」と言う事実が「脱原発」を主張している国民には知られていないのだと思う。(と言うか、私もあまり知らなかった・・・汗)

これは、政府の情報公開が不十分なのかもしれないが、「政府と電力会社の癒着を臭わせて、根拠のない理論を無責任に展開している有害野党が居る」せいだと思う。

 

そう思う根拠がこちら。

共産党の志位さんが前回の政見放送で、何の根拠もない発言をして、結果的に「国民を騙そうとしていた」という事がわかると思う。

長いので5:07くらいから見てください。

 

2021衆院選　政見放送（志位和夫委員長）

 

「石炭火力から撤退し、原発をただちにやめても、必要なエネルギーはまかなえます」って言ってるんですよ。

昨年の10月の話ですからね。(この時点で「石炭要らない・原発要らない、でも大丈夫」って言っているわけ)

 

志位さんのこの発言に数値的な裏付けが有れば、先日の東北地震の後の「電力危機」にはならない筈ですよね？

今回、石油火力発電所が6か所止まった事による危機、だったのですけど。→　電力危機はなぜ起きたのか？

志位さんの言う、「石炭火力・原発も止めても大丈夫」なら、「今は石炭火力・原発が有るから、石油火力発電所が6つ止まっただけでは危機にならない。」って言えるでしょ？

 

「いや、それって地震で6基の火力発電所が止まったからで、話の土台が違うだろ！」

 

と言う人もいるだろうから、検証してみた。

因みに、原子力規制委員会のHPを見ると、現在運転中の原発は5基の模様。

原発の1基当たりの出力は最低で110万キロワットの様だ。→　東京電力のHP(原発)

石油火力の場合出力は最大で100万キロワットの様だ。→　東京電力のHP(火力)(単基容量が該当)

そして、今稼働していると思われる石炭火力発電所のリストがこちら　→　資源エネルギー庁(pdfファイル)

ざっと見て、総出力は1000万キロワット以上はありそう。

(どこか一か所で、ぱっとわかるサイトって無いのかい・・・(><))

 

つまり、志位さん理論だと、低く見積もって「(石炭1,000+原発110×5基で)1.550万キロワット削減しても十分賄える」って言ってるわけ。

で、実際は火力発電所6基が止まって最大で(100×6基で)600万キロワットが不足してこの様な危機になったわけ。

今回地震で停止した分以上に、更に900万キロワットも電力が減らせるって言っているんですよ。

 

単純計算ですら成り立っていないのに「石炭火力から撤退し、原発をただちにやめても、必要なエネルギーはまかなえます」という、デマに近い発言を政見放送で流した、って事になりますね。

 

 

さて、先日の電力危機で起きていたのを解説した動画。

 

需給綱渡り 日本の電力危機～直面するエネルギー問題を検証～【Bizスクエア】

 

その原因の一端に、再エネが安定供給できない、って言う事実が有る。

その不安定さは、この様な弊害まで出てますよ。

 

「再エネ」使いきれず・・・東北電力が初の「出力制御」(2022年4月10日)

 

目一杯発電できるのに、勿体無いでしょ？

再エネが無駄にならず安定供給できる状況にならない限り、「脱石炭・脱原発」を100%できない、そんな現実が有るわけです。

 

反原発の皆さん、私も原発反対派だけどさ、この様な現実を理解しないでただ単に志位さんの様な耳障りの良い言葉を発する「脱原発扇動者」に乗せられたらダメですよ。