ポロポロ

2004-10-21 21:50:14 | Weblog
一番好きな小説家は誰かと聞かれたら、古山高麗雄と答えていた時期があった。
今でももちろん好きな作家のひとりではあるけれど、一番ではないかもしれない。そもそも最近まったくといっていいくらい小説は読まないし。

で、その頃(というのがどの頃なのかはわたしだけがわかっている)、ほかに誰が好きだったかというと、色川武大だったり梅崎春生だったり、というわけで、まあ色川さんは今でもたぶん三本指くらいには入る物書きだから、当時から大きくは変わっていないということになるのだろうか。

田中小実昌というのは、たぶんその頃にさかのぼる。
文体的には色川に、内容としては古山や梅崎とだぶるのだろうか。

「ポロポロ」は不思議な小説である。
コミさんの小説はどれも不思議だけどね。とりわけ「ポロポロ」は不思議。記憶があっちに飛んだりこっちに飛んだりしながら、ピントが合いそうでずれながら、話は進む。でも、読み終わると、妙にすべてを納得する。そうだよな、そういうことなんだよな、と。
だから、この小説の面白さを他人に説明することはできない。
まさにポロポロ始まってしまうのだ。



誰かに貸してしまったか何かで、「ポロポロ」の入った文春文庫がなくなっていて、ことあるごとにずっと探していた。文春では絶版になってしまったらしく、古本屋でもなかなかみつからなかった。
今回、河出が新刊として出してくれて、久々の再会。感涙。

ほかに話としては「岩塩の袋」というのは印象が強かった。戦争もの、しかもちょっと情けない兵隊のはなしはずっと好きなのだな。



きょうはいろいろと申し訳ないことやショックなことが続いて、ややへこみ。
おまけにメールの送受信ができない。
むう。困った。
お急ぎのご用件のある方は、携帯にメールか電話ください。
何が起きているのだろう、うちのパソコン。
くわばら、くわばら。