お産の手伝いで、息子のうちに泊まっていた時のこと。
あ~ちゃんが生まれたと聞いたricoちゃんは、さっそく「お父さん、ダルマ出して!」と要求、自らペンを持ってきて、きっぱりとした態度で白く空いていたもう一方の目を描き入れた。
ママのお腹が大きくなって、お腹の中であ~ちゃんが育っていったのと同時に、ricoちゃんの頭の中でも姉としての自覚が育ち、家族という意識が育ったのだと強く感じた出来事だった。
彼女が目を描いたダルマさんは、今年の1月末に我が家のそばで開かれるだるま市で購入したもの。
昨年から、ricoちゃんもだるま市へ一緒に行くようになって、古いダルマを納め、新しいダルマを持ち帰るという習慣を覚えた。
そして、ダルマを持ち帰ったら、まず片目を入れる。
「今年もみんなが幸せで、いいことがいっぱいあるようにとダルマさんにお願いするのよ」
「お願いが叶ったら、もう一つの目を描いてあげるの」
そんな両親や私の言葉をちゃんと頭の中に止めていたのだろう。
赤ちゃん誕生のニュースを聞いて、すぐ目を描き入れるというのは、あ~ちゃんの誕生を祝うすばらしい行為だと、とても感動した。
「おばあちゃんも、おばあちゃんちのダルマさんに、お目々描いてあげる?」と聞くので、「おばあちゃんはね、Y子ちゃんの結婚式が終わってからにしようと思ってるのよ」
お陰様で、娘の結婚・披露宴も無事終了したので、我が家のダルマさんにも感謝して目を入れることにした。
ホラね、なかなか凛々しいお顔立ち。
大きな両の眼で、来年の一月末まで、あと2ヶ月余り、我が家を見守って下さいね。