OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

イアン・ボストリッジ@王子ホール

2012年02月11日 | 趣味(読書・洋裁・音楽・映画)

一月程前のコンサート。(2012年1月14日でした)

ここに記録しておかないと、あとで「あれいつだったかな?」と思っても、思い出せない!

だいぶ記憶があやふやではありますが、印象に残ったことだけをとりあえず書くことに。

 

 

ボストリッジお兄さんとは、だいぶ長いお付き合い。

初めて聞いたのは、いつだったんだろう。

テノールなのに、「冬の旅」を歌うというので、聴きに行った。(ポスターの写真がねぇ、長身細身のハンサムだったのよ~。それにつられてと言うのも数%はあるかも…)

その時の冬の旅は、イマイチしっくり来なかった。

身振りも大きく、イメージよりも高音で表現される冬の旅は、あまりにもヒステリックな気がした。

 

でも、なんとなく気になって、(たぶん)来日する度に、コンサートに足を運ぶようになった。

ここのところでは、3年前の王子ホール。

その時の印象は、「あっ、この人もずいぶん歳をとったなぁ」。

歌もまあ良かったという思いはあるものの(過去の記事はこちら)、ステージ上でも、ちょっと神経質で愛想も悪く、イギリス人ってこんなもんかと思ったりもした。

じつは、この時、ボストリッジお兄さんの顔を近くから眺めたくて、サイン会にも参加した。

彼は、首をガッチリ厚手のマフラーで防護、「握手はなしですよ!」と係りの人が叫ぶ中、にこやかとはいえない「Thank you」の一言で対面は終了。

イギリス紳士って、腰が低いって訳にはいかないんだと、つくづく感じた。

 

ところが、今回は一目見た時から、感じが違う。

顔色もいいし、生き生きしてるし。

歌も、声が良く伸びて、表現も豊か。

ムム、前回は体調でも悪かったのかな?

 

昨年3月11日の地震の影響で延期になっていた振替公演。

被災した日本に多少は気を遣っているのかしら、拍手に答える時の愛想もいい。

前回の時とはずいぶん違うなぁ。

 

さて、肝心なプログラムはこんな感じ。

イアン・ボストリッジ(テノール)
グレアム・ジョンソン(ピアノ)

パーセル/ティペット:~歌劇「エディプス王」 より ひとときの音楽
パーセル/ブリテン:女王に捧げる哀歌 ~レスビアよ、無駄なことだ~
J.S.バッハ/ブリテン:5つの宗教的歌曲
 思え、わが心よ BWV509
 来たれ、魂たちよ、この日は BWV479
 いと尊きイエスよ BWV484
 甘き死よ、来たれ BWV478
 御身は我がかたわらに BWV508
ハイドン:英語によるカンツォネッタ集 より
 満足
 船乗りの歌
 彼女は決して恋について話さない
 さすらい人
 誠実

********** 休憩 **********

シューベルト:ゲーテの詩による歌曲 より
 月に寄す(第1作) D259
 恋人のそばに Op.5-2, D162
 夜の歌 D119
 恋する者のさまざまな姿 D558
 海の静けさ Op.3-2, D216
 湖上で Op.92-2, D543
 ミニョンに Op.19-2, D161
 最初の喪失 Op.5-4, D226
 ガニュメート Op.19-3, D544
 ミューズの子 Op.92-1, D764
 月に寄す(第2作) D296

アンコール

シューベルト:音楽に寄す D547
パーセル/ティペット:「エディプス王」より ひとときの音楽

 

よかった…。

今年のコンサート初めは、ボストリッジお兄さんで良かった!

1時間半、本当に贅沢で幸せな時間。

(今回もコンサート終了後サイン会があった。ロビーに降りてきたボストリッジお兄さんは、拍手で迎えられてとてもにこやか。前回とは大違い!)

 

CDと違って、生の音楽はその時、その時で、感じが異なる。

聴く側の気持ちや体調にも左右されるし、演奏者の体調にも違いがあるだろう。

コンサートって生ものなんだなぁと、つくづく思い知らされた。

 

次回も、ボストリッジお兄さんが来日したら、絶対行こうっと