一月程前のコンサート。(2012年1月14日でした)
ここに記録しておかないと、あとで「あれいつだったかな?」と思っても、思い出せない!
だいぶ記憶があやふやではありますが、印象に残ったことだけをとりあえず書くことに。
ボストリッジお兄さんとは、だいぶ長いお付き合い。
初めて聞いたのは、いつだったんだろう。
テノールなのに、「冬の旅」を歌うというので、聴きに行った。(ポスターの写真がねぇ、長身細身のハンサムだったのよ~。それにつられてと言うのも数%はあるかも…)
その時の冬の旅は、イマイチしっくり来なかった。
身振りも大きく、イメージよりも高音で表現される冬の旅は、あまりにもヒステリックな気がした。
でも、なんとなく気になって、(たぶん)来日する度に、コンサートに足を運ぶようになった。
ここのところでは、3年前の王子ホール。
その時の印象は、「あっ、この人もずいぶん歳をとったなぁ」。
歌もまあ良かったという思いはあるものの(過去の記事はこちら)、ステージ上でも、ちょっと神経質で愛想も悪く、イギリス人ってこんなもんかと思ったりもした。
じつは、この時、ボストリッジお兄さんの顔を近くから眺めたくて、サイン会にも参加した。
彼は、首をガッチリ厚手のマフラーで防護、「握手はなしですよ!」と係りの人が叫ぶ中、にこやかとはいえない「Thank you」の一言で対面は終了。
イギリス紳士って、腰が低いって訳にはいかないんだと、つくづく感じた。
ところが、今回は一目見た時から、感じが違う。
顔色もいいし、生き生きしてるし。
歌も、声が良く伸びて、表現も豊か。
ムム、前回は体調でも悪かったのかな?
昨年3月11日の地震の影響で延期になっていた振替公演。
被災した日本に多少は気を遣っているのかしら、拍手に答える時の愛想もいい。
前回の時とはずいぶん違うなぁ。
さて、肝心なプログラムはこんな感じ。
イアン・ボストリッジ(テノール)
グレアム・ジョンソン(ピアノ)
パーセル/ティペット:~歌劇「エディプス王」 より ひとときの音楽
パーセル/ブリテン:女王に捧げる哀歌 ~レスビアよ、無駄なことだ~
J.S.バッハ/ブリテン:5つの宗教的歌曲
思え、わが心よ BWV509
来たれ、魂たちよ、この日は BWV479
いと尊きイエスよ BWV484
甘き死よ、来たれ BWV478
御身は我がかたわらに BWV508
ハイドン:英語によるカンツォネッタ集 より
満足
船乗りの歌
彼女は決して恋について話さない
さすらい人
誠実
********** 休憩 **********
シューベルト:ゲーテの詩による歌曲 より
月に寄す(第1作) D259
恋人のそばに Op.5-2, D162
夜の歌 D119
恋する者のさまざまな姿 D558
海の静けさ Op.3-2, D216
湖上で Op.92-2, D543
ミニョンに Op.19-2, D161
最初の喪失 Op.5-4, D226
ガニュメート Op.19-3, D544
ミューズの子 Op.92-1, D764
月に寄す(第2作) D296
アンコール
シューベルト:音楽に寄す D547
パーセル/ティペット:「エディプス王」より ひとときの音楽
よかった…。
今年のコンサート初めは、ボストリッジお兄さんで良かった!
1時間半、本当に贅沢で幸せな時間。
(今回もコンサート終了後サイン会があった。ロビーに降りてきたボストリッジお兄さんは、拍手で迎えられてとてもにこやか。前回とは大違い!)
CDと違って、生の音楽はその時、その時で、感じが異なる。
聴く側の気持ちや体調にも左右されるし、演奏者の体調にも違いがあるだろう。
コンサートって生ものなんだなぁと、つくづく思い知らされた。
次回も、ボストリッジお兄さんが来日したら、絶対行こうっと