一年のうちに何度か、宝石のように美しい日に会うことがある。
今日はどんより曇り空だったけれど、昨日はそういう美しい一日だった。
思わずカメラを持ち出して、シャッターを切ったけれど、私の腕で、その美しさが伝えられるかどうか…。
前々日まで降っていた冷たい雨のおかげで、モミジが一気に真っ赤に変わった。
見慣れた景色も、暖色に染まって、青空との対比が本当にきれい。
春の若葉もきれいだけれど、この季節の木々の美しさは名残りの美という感じで、心を奪われる鮮やかさ。
冬の寒さが訪れる直前の、自然からのプレゼントかもしれない。
そんな中でみつけた小さな自己主張。
これです。
クチナシの生け垣に、こぼれて生えたモミジの木。
普段はひっそりとクチナシに紛れて目立たない。
きっちり四角に刈り込まれて、大勢のクチナシに圧倒されているようなのだけれど。
この季節になると、葉をみごとな赤に染めて、「私はここにいるよ!」と燃え上がる。
毎年のことだけれど、この季節になんだかいとおしい小さいモミジ。
クチナシの足元で、こんなにがんばってます。