OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

近況

2011年03月27日 | 家族の話題

日曜日の昼前、チャイムが鳴って、宅急便が届いた。

「水だって」と、夫。

「誰から~?」

心当たりがない。

 

差出人は、滋賀県に住む夫の従兄弟。

先日訪れた米子で偶然久しぶりにお会いして、

「小さかった男の子がお父さんになったんですね」

「だって、あなただって学生さんだったじゃないの」

なんていう会話を交わした。

 

このところの水道水の汚染で、孫娘、ricoのことを心配してくれて、すぐ水を送ってくださったようだ。

「関東ではもう手に入らないと思うから、お節介だけど送りました」という手紙が添えられている。

 

さっそく長男の所に連絡をした。

長男は、「ricoはもう乳児じゃないし、横浜の水はまだ数値が低いから大丈夫だと思う。それよりもmikさんの所へおくってやれ」と言う。

mikさんは、次男の嫁、5月末に出産を控えているが、千葉の船橋市に住んでいて、水道の汚染の地域に入っている。

「きっと動揺してると思うから、少しでも安心させてやった方が良いよ」と。

 

案の定、身重の嫁はけっこう気に病んでいたようだが、こちらからみんなが心配していることを知り、とても喜んでくれた。

「たくさんの人に思いやっていただいて、きっといい子が生まれると思います」というメールをくれた。

 

今回の地震、津波、そして原発事故は、とても悲しい出来事で、直接被害の無かった関東に住む私たち家族も、それなりに動揺した。

とくに原発事故の影響に関しては、ricoやこれから生まれる小さい命に害を及ぼすのではないかと気を揉んだ。

 

原子力発電に対して積極的に賛意を表したことはないけれど、でも、そこから送られる電気で生活を享受してきた。

それに、原発を推進するような政権の存在を社会全体として肯定したのも私たち世代なのだ。(別の党に投票したのになんていうのは、言い訳だよね!)

つまり、他人(例えば、政府や東京電力)を責める事なんてできない。

むしろ、息子や孫の世代に、申し訳ない気がしてならないのだ。

 

だから、地震以来、鬱々とした気分が収まらなかった。

でも今日、送られてきた水をきっかけに、私を取り巻く人々の善意を直接感じることができて、ちょっと心がホッとした。

長男の嫁さんも、「みんないい人ばかりで、ありがたいです。恵まれてますよね」と言ってくれている。

 

起こったことを嘆いてばかりいても始まらない。

回りから示される善意に喜び、私もそれを回りに還元しなくては。

そして、たくさん笑って、心から生活を楽しまなくっちゃ。

できる事ってそのくらいしかないのだけれど。