エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

ブームとなったスマートグリッドに必要なこと

2010-07-04 00:03:35 | Weblog
6月24日に『スマートグリッド革命:エネルギーウェブの時代』(村井純教授推薦、NTT出版)を刊行しました。私がこの本を刊行した背景には、日本国内でも様々な場面でスマートグリッドという言葉が用いられるようになりましたが、「スマートグリッド革命」の本質というものがしっかり議論されていないと感じていることがあります。
次世代電力ネットワークの整備といっても、それは電力会社に関係することで自分にはあまり関係がないというのが一般の人々の意識だと思われます。スマートグリッドについても知らない人が9割方です。また、企業やビジネスマンにとっても、関係する業種以外のところでは自らの企業戦略やビジネス基盤に影響する大きな事象だという感覚が必ずしも共有されているわけではないように感じられます。
実は、インターネットによるIT革命に至る現象が15年前の米シリコンバレーで起こりました。当時、私は,シリコンバレーに駐在していました。そこで私は、インターネットが登場し瞬く間に社会やビジネスのありようを大きく変革していく様を目の当たりにしました。そうした経験から言うと、今回のスマートグリッドには、インターネットが登場してきたときと同じような“うねり”を感じます。それどころか、スマートグリッドが起こす変革の大きさというのは、IT革命をはるかに凌駕する規模になります。それは,ネットワークの規模(インターネット10億人に比して、電力網40億人など)を比較すると一目瞭然です。
私が「スマートグリッド革命」の予感がしたのは09年1月のことです。その時まで数カ月、関連する内外の文献、情報を読み込みました。そして09年6月にシリコンバレーに赴いて「スマートグリッド革命」の実相に肌で接し、より強い衝撃・感動を受けるとともに、「スマートグリッド革命」はIT革命をはるかに凌駕するものだと確信するに至りました。
09年10月に執筆に取り掛かりましたが、それ以来テーマの広さと深さを認識せざるを得ない局面に遭遇し、そのたびに推敲に推敲を重ねました。10年3月初めに書き上げましたが、夢中になって書き進めたため、原稿の量が本2冊半分に相当するものとなっていました。今回は、その原稿のうちから読者の皆さんにメッセージとして優先的に発信したいものを取り出し、5月末までの最新情報を盛り込んで編集しました。
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