エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

イノベーションのハードルは高く、しかも射程距離は長い

2011-05-12 06:58:12 | Weblog
国際エネルギー機関(IEA)は、一定の条件(新たな大油田の発見がないこと及び原油需要が現在のペースで増えること)という前提ですが、20年までには石油の生産が頂点に達する「ピークオイル」が到来すると予想しており、さらに、シンクタンク、専門家による各種の推計と総合すると、12年頃が「ピークオイル」の到来とされています。
そのため、石油に代わるエネルギー源を確保することが急務となっています。世界の石油生産が12年、遅くとも20年にピークを迎え、その後、天然ガスの生産もピークに達するとしたら、次々に連鎖反応が起こり私たちの生活様式の基盤が失われることになりかねません。その際、最も大きな打撃と受ける国の一つが日本でしょう。
こうした中、原油価格は04年以降大幅な変動を伴って高騰を続け、08年7月11日に1バレル当たり147.27 米ドルの史上最高値を記録しました。そして、調整局面が続いたあと、9月の金融危機を契機に12月下旬には30ドル台前半まで急落しましたが、09年春先から上昇に転じ、いまや1バレル=70~80ドル台まで高騰しています。金融危機による価格急落は一時的な現象にすぎず、今後とも需給逼迫と価格高騰が続くマクロのトレンドに変化はないと想定されます。ある石油専門家は「早晩『1バレル=200ドル』の時代がやって来るだろう。安い資源の時代はとうに終わりを告げているのだ」と指摘しています。
いずれにしても、50年までに「90年比80%減」を達成しなければならないのです。それなら、20年までに「90年比25%減」を実現するため日本国内でイノベーションを起こし、関連の財サービスに対する需要を創造しながら先導的に市場を立ち上げ、他国に先んじて先進的な環境エネルギー技術を確立すれば競争上優位に立てます。これによる先行者利得は膨大なものです。
このように考えると、先進国中で最もエネルギー供給構造が脆弱な日本は、環境エネルギーをめぐる“大競争”のフロントランナーの位置にいるといっても言いすぎではありません。いち早く再生可能エネルギーの開発・大量導入とそれを支えるスマートグリッドの構築、それらを実現するためのイノベーションに取組み、「課題先進国」として自らその課題を解決することが、日本の繁栄を勝ち取ることになります。さらに、それにより世界に貢献することも可能となります

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