エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

2つのタイプの「オープン・イノベーション」

2011-09-27 07:44:18 | Weblog
スマートグリッド推進にあたり、企業は「選択と集中」を行うことが必要となります。ただ、絞り込みすぎると、まだ初期段階にある有望なプロジェクトの芽を摘んでしまいかねないという問題があります。このような問題を解決する上で重要な役割を果たすのが「オープン・イノベーション」です。企業の境界という伝統的な障害を取り除くことで、知識、アイデア、人材が企業内外を自由に行き来することになります。
「オープン・イノベーション」には、アウトサイド・イン型オープン・イノベーションとインサイド・アウト型オープン・イノベーションがあります。アウトサイド・イン型オープン・イノベーションとは、研究開発、マーケティングなどの活動について企業外の資源とネットワークを作り、それを内部の資源に注入というタイプのものですが、最近においては、アウトサイド・イン型オープン・イノベーションの過程に自社の主要ユーザを参加させる企業が増えてきています。そこでは、ネット検索やツイッターなどのツールが活用されて企業のあり方そのものを変えようとしており、民主化するオープン・イノベーションによる「エンタープライズ2.0」と呼ばれています。
また、インサイド・アウト型オープン・イノベーションは、企業の資産やプロジェクトの一部を企業の壁を越えて外部化するタイプのもので、パラダイムが大きく転換する時期には非常に有効です。たとえば、10億ドル規模の新規事業を発掘するためにシスコシステムズが07年に行った「I-Prize」というイノベーションの公開コンテストでは、製品・サービスの開発において、インターネットを介して世界中の人々からアイデアを集める「クラウドソーシング」という手法をとり、最終的に作業を委託しました。その過程で、世界104カ国から2500人以上の応募があり、約1200件のユニークなアイデアが寄せられ、シスコシステムズとしては、世界各地の人々がシスコについてどのように考え、シスコが追求すべき市場はどこかを理解することができたといいます。最優秀賞に選ばれたのは、センサを利用したスマートグリッドでした。

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