エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

2008年5月チェルノブイリ原発事故の現場訪問記(その4)

2011-04-07 06:33:48 | Weblog
廃墟となったプリピャチにおいて受けたブリーフィングは、次のようです。
 「事故発生から36時間経って、住民に避難命令が出た。「3日分の食料持参」の指示に従って住民は着の身着のままでひとり残らずバスに乗せられ脱出した。イヌも後を追ってバスに飛び乗ったが、汚染しているという理由で放り出された。原発から30km以内に居住する約13万5000人のすべての人が移動させられた。」

(「チェルノブイリ原発博物館」訪問)
 チェルノブイリ原発訪問の翌日、キエフ市内にある「チェルノブイリ原発博物館」に行きました。博物館の入り口には、事故当時に救援、復旧に使った軍用ジープ、装甲車等が提示してありました。そこでは、事故の数日後、チェルノブイリ原発からの放射性物質の飛散をできる限り抑えようと、ヘリコプターから大量の砂の空中散布をした兵士が、致死量の放射能を浴びて数多く殉職したことを知り、その遺影とイヌの奇形のはく製を見て呆然としました。そこで得た知識は次のとおりです。
 「ソ連政府の公式発表では、死者は運転員、消防士を合わせて33人だが、それ以外にも事故処理にあたった軍人や予備兵、地下から炉に接近するためのトンネル掘削に駆り出された炭鉱労働者など多数の死者が確認されている。
 放射能被害など長期的な観点から見た場合の死者数は、86年のウィーンでの国際原子力機関(IAEA)の非公開会議で4000人という結論になった。2006年になって世界保健機関(WHO)は9000人とし、国際がん研究機関は1万6000人、環境団体のグリーンピースは9万人と発表した。」
  事故後、子供の甲状腺がんが急増しました。そして今、その子供たちが結構適齢期を迎え、子供を産む年代となってきています。未熟児を出産する確率が高いとされ、放射能被害は未来の世代にまで引き継がれます。
 原子力安全の重要性を心に刻み込んだ2日間でした。

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