エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

スマートメーターと需要応答は電力事業者・ユーザー・社会の「三方善し」を実現する

2010-07-15 00:18:24 | Weblog
現状では、アメリカの電力会社の多くは固定料金制のみをユーザに提供しており、使用時間帯別の料金設定にはなっていません。しかし、米DOE(Department of Energy)が実施した調査では、スマートメーターの導入によりユーザが需要応答(Demand Response)できるようになると、電力使用量が10%程度削減されるというデータがあります。電力使用状況が「見える化」されれば、料金の安い夜間に洗濯をするといった具体的な行動も起こせるというわけです。加えて、エアコンの設定温度を電力網側から操作して適正に保つなど、ユーザーが意識しなくても省エネが行えるといった「自動化」(DMS:Demand Side Management)の仕組みも可能とされています。
 また、各家庭の暮らし方に即した電力利用が実現されれば、時間帯ごとに料金設定を変えたカスタマイズ型の料金体系を設定するという「ダイナミック・プライシング」(Dynamic Pricing)も可能になります。また、利用の仕方を変えるだけでなく、たとえば太陽光発電を設置した家庭では、より買い取り価格の高い時間帯に余剰電力を増やすといった、電力を売るためのインセンティブも働くようになります。電力事業者側にも、よりスマートな電気の使い方を提案する新しいビジネス・チャンスが生まれることになります。
 これらの結果として、省エネルギーやCO2削減を意識したライフスタイルが定着すれば、環境負荷の低減という社会としての課題解決にもつながります。また、DMSに対応した家電製品への需要が高まれば、新しい市場の開拓が進み、産業面から見ても大きな需要創出効果が望めるでしょう。このように、スマートメーターとそれによる需要応答(DEmand response)は、電力事業者、ユーザー、社会というすべてのステーク・ホルダーに対してメリットを提供する「三方善し」の仕組みなのです。

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