エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

ヨーロッパの電力需要の15%をまかなうデザーテック計画

2011-12-01 07:10:11 | Weblog
欧州の12の大企業が協力して、ヨーロッパの電力需要の15%を太陽光等再生可能エネルギーでまかなう計画である「デザーテック計画 ( Desertec ) 」がスタートしています。太陽光発電700ギガワット、風力発電300ギガワット、水力発電200ギガワットという内訳です。
 デザーテック計画の構想は、03年に地中海周辺52カ国の科学者、政治関係者、産業界のメンバーからなる民間のシンクタンク「ローマクラブ」 ( Club of Rome ) で始まり、特に同クラブのドイツ支部が計画をまとめました。目的は、50年にヨーロッパ電力需要の15%を太陽光発電基本とする再生可能エネルギーでまかない、また発電所周辺諸国に需要電力の大半を供給するというものです。総事業費は4000億ユーロ ( 約50兆円) 。送電開始は10年後に見込まれています。
 具体的計画の第一歩は、ドイツ企業を多く含む12の欧州大手企業が計画実行のための研究機関創設に同意する議定書に調印したことです。その後、シーメンス、ABB、エーオン(ドイツ)、RWE(同)など欧州企業連合がアルジェリアの地場財閥セビタルと提携してデザーテック・インダストリアル・イニシアチブ(DII)を設立しました。09年7月に合意文書の調印が行われましたが、設立メンバー12社にはドイツ銀行、ミュンヘン再保険、HSHノルドバンクといった金融機関が含まれています。
デザーテック計画は、太陽光発電では世界最大規模です。この計画の課題の一つは、いかに電力を安全にヨーロッパまで送電するかということですが、ABBは2000キロメートルの送電をわずか10%の損失だけで行えるとしています。

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