エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展CEATEC JAPAN 2012で基調講演します

2012-09-20 06:24:16 | Weblog
アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展CEATEC JAPAN 2012(シーテックジャパン)が幕張メッセにて開催されますが、本年のテーマは“Smart Innovation”です。その一企画として、10月3日10:00~11:00に「エネルギーのインターネット」(Internet of Energy)と題して基調講演します。
 基調講演のテーマは、政府の「革新的エネルギー・環境戦略」で謳われた「グリーンエネルギー革命」からエネルギー革命とICT革命の融合した「エネルギーのインターネット」にどのように展開するかです。
 参加は無料です。他の基調講演者は、サムソン電子のハン副社長、ドコモエンジニアリングの辻村社長などです。また、シンポジウムでは東大の坂村健教授、安田浩電気通信大教授なども登壇します。ご関心のある方は、聴講ください。

http://www.ieee-gcce.org/2012/keynotes.html

 【講演要旨】
 一般社団法人スマートプロジェクト【会長;小宮山前東大総長、代表;加藤敏春】は、スマートエネルギー社会を作るために産学官民が結集したプロジェクトである。政府の「革新的エネルギー・環境戦略」では、2030年代原発ゼロを目指しつつも家庭への電気料金の大幅な負担増を強いるものになっている。そこでスマートプロジェクトは、エネルギーを「自産自消」する自律分散協調型スマート社会の実現を目指したスマートグリッド「プランB」を提案している。
 インターネットによるIT革命は、ダイヤルアップ、ADSL、光ファイバ、無線など、その時点ごとに最適な技術で需要を喚起するイノベーションの波が、何回も繰り返されることによって世界中に広がった。スマートグリッドもまた、技術偏重ではなく、その時点ごとに最適な技術を用いてのアプリケーション拡大、ビジネスモデル発展、ユーザー参加による市場拡大の連鎖が、何回も繰り返し起こるような「持続的なイノベーションの構造」を作ることで、スマート革命へと発展させることができる。
 スマート革命の第1の波として、スマートプロジェクトは自治体などと連携しながら、「家庭の節電行動2012」(http://www.smartproject.jp/wp-content/uploads/pdf/120801_NewsRelease.pdf)を推進中だ。参加家庭に対して、電気の使用状況を「見える化」すると同時に「節電エコポイント」を付与するなどのインセンティブを提供することによって節電に大きく貢献した。
 「足利市民総発電所構想」(http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/souhatsuden.html)のサポート進めている。栃木県足利市では、家庭、学校、公共施設などにHEMSやBEMSを導入して節電(ネガワット)を進めると同時に、太陽光発電や蓄電池を導入して創電(ポジワット)も行う、エネルギーの地産地消型スマートコミュニティを目指す取り組みを始めたところだ。
 スマート革命の第2の波では、供給側の抑制要求に対応して需要側が使用電力を削減する「需要応答」の普及がカギとなるだろう。また、太陽光発電・燃料電池・リチウム電池などによる家庭でのピークカット、ネットワーク化による家電のピークカット、スマートフォンによる遠隔制御なども、今後の波として期待される。
 さらに、エネルギーを地産地消するスマートコミュニティが増えていけば、国民(個人&法人)のすべてが発電所となる「スマート国民総発電所」(http://www.smartproject.jp/conception)をベースにした、エネルギーの自律分散協調を行う国家像も見えてくる。これが「エネルギーのインターネット」(Internet
of Energy)であり、ここで初めて「原子力からグリーンへ」というグリーン成長が実現可能になる。

*参考:スマートプロジェクトのポジションペーパー

 政府の「革新的エネルギー・環境戦略」とスマートプロジェクト~「エネルギーのインターネット」への道~(http://www.smartproject.jp/wp-content/uploads/pdf/120918_position_paper.pdf)