エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

再生可能エネルギー政策により経済成長と雇用増加を狙う

2011-11-25 06:42:32 | Weblog
欧州の再生可能エネルギー政策は、経済成長と雇用増加を高める政策としての意義も有しています。09年6月EU委員会はそれに関する報告書を公表しました。再生可能エネルギー政策が欧州連合(EU)の経済成長と雇用に及ぼす影響についてEU委員会が行った調査(Employ-RES)によると、20年までにエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を20%に引き上げるという目標が達成されれば、再生可能エネルギー部門において約280万人の雇用創出と、全体でGDPの約1.1%に相当する付加価値の増加が期待できるとしています。
 報告書によれば、05年の再生可能エネルギー部門は140万人の雇用を抱え、粗付加価値額は580億ユーロでした。同部門の貢献度は、加盟国によって相当な開きがありますが、雇用の面で最も重要なのは、バイオマス、風力、水力発電となっています。今後は、特に04年と07年にEUに加わった新規加盟国において、再生可能エネルギー部門での雇用が大幅に増えることが期待されています。
 報告書は、再生可能エネルギーに関する技術開発の必要性を強調しています。光起電力、洋上風力発電、太陽熱発電、第二世代バイオ燃料といった革新的な技術は、短期的に見て、より多くの資金的支援を必要としますが、20年に向けたEUの目標を達成するためのカギとなるのはまさにこうした技術であるとしています。報告書は「それが、中期的には、世界市場におけるEUの現在の競争力維持と、雇用とGDPの増大につながるのである」と結論付けています。