エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

グリーンバレーへと変貌するシリコンバレー

2011-11-01 07:27:37 | Weblog
「スマートグリッド革命」は,アメリカの中でもシリコンバレーを基点に始まっています。米西海岸サンフランシスコの南、スタンフォード大学やサンホゼの周辺に集積する産業群よりなるシリコンバレーは、図表に示すように、半導体、PC・コンピュータシステム・周辺機器、ソフトウェア、通信・インターネット、バイオテクノロジー・ライフサイエンス、グリーンテックと幾度となく脱皮の過程を繰り返してきました。その都度、イノベーションの主役は代わってきましたが、折り重なるようにしてその活力を向上させ、その都度存在価値を高めています。そして今、グリーンテック、スマートグリッドが新しい主役として登場してきているのです。
スマートメーターのスタートアップ企業の成長株として近年において俄然注目されているシルバー・スプリング・ネットワークの最高財務責任者ワーレン・ジェンソンは、「02年に創業したときは、スマートグリッドについて語る人はいなかった。私たちはいち早くグリッドの可能性に注目し今日の地位を築いた」と語っています。この言葉が示すように、まずシリコンバレーでは、創業から数年を経過したスマートグリッド関係企業が先行者利益を享受するようになり、市場の拡大とともに大企業や様々な他の分野のスタートアップ企業が続々と参入しています。
これらの企業のなかには、太陽電池の薄膜、薄膜成形に必要な真空機器や材料、省エネ型照明や省エネデバイス、商業ビルの省エネモニタリングの機器やサービス、燃料電池、クリーンコール(石炭の効率的利用技術)、ナノテク材、小規模水力発電タービン、センシングデバイス、電気自動車関連など数多くの新興企業が含まれています。
電気自動車の充電スタンドを手がけるベタープレイスや、太陽光パネルを開発するサンパワー(Sun Power)、薄膜材料を手がけるスパッタリングマテリアルズ(Sputtering Materials)などを筆頭に、シリコンバレーの環境エネルギーベンチャーはいまや数百社ともいわれています。電気自動車開発のテスラ・モーターズも、一時的に苦境に立ち従業員のレイオフに追い込まれましたが、今では勢いを盛り返しています。「シリコンバレー・モデル」は進化し続けているのです。