エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

ビジネスモデル;オープン・プラットフォームの必要性

2011-04-20 00:01:25 | Weblog
日本におけるスマートグリッドのプラットフォームをオープンな構造にして、新産業の創造力を高めることが必要であることです。スマートグリッドにおいては「エネルギーサービスプロバイダー」と「情報サービスプロバイダー」の2種類が登場し、この2つのサービスプロバイダーとスマート顧客(需要)、スマート電力(供給)よりなる四極の構造が形成されてくることになるでしょう。「エネルギーサービスプロバイダー」と「情報サービスプロバイダー」の両者を兼ねる事業者である「スマート・サービスプロバイダー」も出現し、統合されたサービスを提供するでしょう。
「情報サービスプロバイダー」はインターネットのインターネット・サービスプロバイダー(ISP)と同様のものですが、「エネルギーサービスプロバイダー」には、需要家への電力供給機能を果たすタイプ(ロードカーブ特性の異なる複数の需要家をグループ化し、電力供給事業者や電力取引市場から安価な電力を調達し供給するアグリゲーションと呼ばれる電力購買代行業)、需要家からの電力供給機能を果たすタイプ(自家発電設備を保有する複数の顧客から余剰電力を集約し、電力供給事業者や電力取引市場に有利な条件で電力を卸売りする電力販売代行業)およびエネルギーマネージメント等の関連サービス業としての機能を果たすタイプ(見える化、ESCO、設備導入、運転維持管理、支払い代行等の多様な形態がありうる)の3つが想定されます。
スマートグリッドの展開を左右する上で非常に重要になるのは、「エネルギーサービスプロバイダー」と「情報サービスプロバイダー」により提供されるスマートグリッドのプラットフォームの構造をオープンにするか、閉鎖的にするかということです。情報通信ネットワークのプラットフォームがOSからウェブに移り、そのプラットフォームがオープンなのかクローズドなのかが問われると同様の問題設定がスマートグリッドにも登場します。このプラットフォームの構造により、今後のスマートグリッド関連産業の発展の方向、規模が左右されるといっても過言ではありません。
この点に関して、情報通信ネットワークの各種プラットフォームの構造を参考にして「エネルギーサービスプロバイダー」と「情報サービスプロバイダー」のプラットフォームの構造を考えると、Linux 型、 Windows型、Macintosh型、iPone型の4通りのパターンがあることがわかります。判断要素は、需要サイドのユーザ(最終ユーザ),供給サイトのユーザ(アプリケーション開発者),プラットフォーム提供者, プラットフォーム支援者(知的所有権保持者)のそれぞれに対して、プラットフォームがオープンかクローズドかになります。
ここで言えることは、私たちは「エネルギーサービスプロバイダー」と「情報サービスプロバイダー」のプラットフォームの構造を構築するにあたり、ネットワークの「自己組織化」能力を高めてイノベーションを創造するため、Linux 型のできる限りオープンな構造を目指すべきだということです。そうすれば、スマートグリッド産業をIT産業に代わる基幹産業として成長させることができます。最終的な姿は、「You Energy」パララダイムを実現する「エネルギー&インフォメーションウェブ」です。