エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートコミュニティ革命」(動向;アメリカのBEMSは学校と病院から)

2011-03-15 06:09:23 | Weblog
BEMSについて、先行しているのはアメリカです。アメリカでのBEMSの端緒となったのが、学校と病院のエネルギーマネージメントです。このうち学校のBEMSに関しては、08年に学校のスマ-トエネルギー化、グリーンスクール実現を支援する法律(Green Performing Public School Act)が制定され、5年間で2兆円規模の資金を投資して学校の省エネを推進しています。環境教育の推進とともに、モデルとして、1学校あたり年間1000万円の節約、これにより教師の増員、新しいPCの導入、図書の購入を促進するというものです。また、08年7月米エネルギー省(DOE)は、病院のエネルギーマネージメントを進めるというイニシアティブを発表しています。これは、病院のエネルギーコストが50億ドル、商用オフィスビルに比べて単位あたりのCO2排出量が2.5倍であることにかんがみ、既設の病院については20%、新設の病院に対しては現行基準より30%省エネを促進しようというものです。
さらにアメリカでは、最終エネルギー消費量のZEB(Net Zero Site Energy)を目指すZEB(Net-Zero Energy Buildings)への投資が政府を中心に行われています。08年8月米エネルギー省(DOE)は、「07年エネルギー自給・安全保障法」(Energy Independence and Security Act of 2007:以下「EISA法」という)に基づき「Net-Zero Energy Commercial Buildings Initiative」を発表し、ZEBを目指したBEMSへの取組みを開始しました。その内容は、30年までに新築されるすべての業務ビルをZEB化する、2040年までに既存の業務ビルの50%をZEB化する、50年までにすべての業務ビルをZEBとするための技術・慣行・政策を開発・普及するというものです。また、アメリカ政府はARRA法に基づき、例えば45億ドルの連邦政府ビルの省エネ改修を予算に盛り込みました。
 またアメリカでは、アメリカグリーンビルディング協議会(USGBC)が自主評価システムであるLEED(Leadership in Energy and EnvironmentalDesign)の「Green Building Rating System」を運営管理しています。LEED評価システムでは、用地設計、室内環境の品質、エネルギー・建材・水の有効利用という大きく5つのカテゴリーについて、グリーン建築の指定基準を満たしているかどうかにより点数化されます。LEED評価が高いということは、優れたグリーンビルディング設計である証しで、州政府機関や地方自治体、さらには民間団体からさまざまな財政面、規制面の優遇措置を受ける資格が得られるようになっています。