エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートコミュニティ革命」(シリーズ;シェールガス革命が引き起こすLNG供給過剰と価格低下)

2011-03-08 06:42:58 | Weblog
非従来型の天然ガスであるシェールガスが脚光を浴びています。シェールガスは粘土質板岩層や黒板岩層(Shale)に含まれる天然ガスで、世界全体の埋蔵量は450兆立方メートルと推定され、天然ガス価格の値上がりもあって近年米国での開発が急速に進展しています。米国の2007年以降の年間生産量は液化天然ガス(LNG)換算で4,000万トン、米国の従来型天然ガス総生産量の半量に相当します。採算性の面でも十分市場競争に耐える標準製品となりつつあります。
ここ数年のシェールガス資源開発の進展により、新規の生産者が参入し、天然ガス市場の再編が始まっています。近年液化ガス部門に多大な投資を行ったカタールや西アフリカ諸国では、経済危機に起因する需要減少と、米国市場のシェールガス流通量の増加で、8,000万トンの生産過剰となりました。パイプラインで輸送される天然ガスの販売量も、2、3年前の予測を大きく下回りました。そのため市場は供給過剰となり、米国市場で価格が低下、LNG生産国にとっては打撃となりました。ロシア、北欧、中近東、北アフリカ、中央アジアの生産者がシェアを争う欧州市場にも、米国向けが予定されていたLNGの一部が回るため、欧州でも供給過剰と価格の低下が進んでいます。