昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

忘れんとすれば・・・時雨かな

2024-05-14 07:39:15 | 日記
50代男性が20代女性を刺殺した事件の後、60代女性が30代男性を刺した報道。叶わぬ恋、破れた恋。

老いらくの身故、叶わぬ恋とわかっている。だが妄執は消えず・・・忘れようとする、あしらいかねる。

能「綾鼓」と「恋重荷」。庭掃きの老人が女御を一目見て、心乱す程の恋に落ちる。

不憫に思ったか、それとも面白いと感じたか。女御若しくは周囲の者は、諦めさせるために枝に吊るした「鳴らない様に仕組んだ鼓」を鳴らすことができれば、錦に包んだ「重い石」を持ち上げ庭を周回出来れば、会いに来てくれると。

命懸けで課題に取り組む老人、できるはずもなく執着したまま息絶える。それを聞き哀れに想った女御が訪れる
恋や恋 われ中空になすな恋 恋には人の死なぬものかは・・・戯れの恋はしない、自戒。
あっ!女御は身体が動けぬことに気づく。怨霊になった老人に囚われていた。

綾鼓ではこの後、鳴らぬ筈の鼓の音が聴こえ、女御は笞(ち、むちうつ、しもと)され、池は凍り付き、悪蛇となりし老人が恨みを込めながら池に沈むバッドエンド、恋重荷では、怨霊になった老人は「弔ってくれるのであれば、恨みを捨て守り神になろう」とリトルハッピーエンド。

老(おい)が恋忘れんとすればしぐれかな 与謝蕪村

初冬の雨に似た、薄墨色の空。

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