楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

諦めが蔓延する社会

2020年12月01日 | 日記

このままお蔵入りかと思っていた『桜』疑惑が再びマスコミ、国会で取り上げられている。発端は読売新聞のスクープ、続いたのは何と政権寄りのNHKというから何やら検察との出来レースのような気もする。足で稼いだ感じがしない。

 

「関係者」「周辺」からの情報として、“無い”とされていたホテルからの見積書と領収書があること、その領収書は破棄されたこと、安倍事務所が総務省に政治資金収支報告書の記載法について問い合わせしていたことなど、核心に触れることが報道各社の競争で明らかになってきた。

 

「関係者」は検察と思われるが、聞き慣れない「周辺」は官邸か、ホテルか、事務所か。はたまた霞が関か。まだ漏れて来ない。読売だけが握っているのか。益々、落としどころが見えてくる。「安倍総理も菅官房長官も秘書に騙されていたんだ」と。

 

知りたいことは、会食の実費と会費の差額補填の原資だ。後追いとはいえ、国会であれほどの一種の精緻さをもって虚構を築いたのだから余程表沙汰になっては大変なことだったのだろう。

 

最近、ジャーナリストの一部に「原資は官房機密費ではないか」という推測があるそうだ。官房長官が一手に管理するヤミ金だ。会計検査院の調査の対象外であり、外国からの賓客の接待などにも使われる。ベールに包まれた使途は30年後でなければ日向に出ない。

 

会場となったホテルでは様々な政府関係の公式行事が開催される。それに伴う経費が国の予算から振り込まれる。裏の機密費が使われたとしたらどのように潜り込んだのか。興味深いところではある。

 

『森友』疑惑では大阪地検がさんざん期待を持たせて真実を闇に葬った。機密費かどうかは別にして、法律関係者の「安倍首相の立件は難しい」との見方を基に、真相究明を求める世間の諦めを誘うような記事が既に載り始めている。「周辺」の術か。

 

ジャーナリズムにお下がりネタではなく、足で稼いだ骨のあるスクープを期待するのは巨大な権力を相手に無理というものか。諦めさせる政治を止めなくては。1票は何ものにも増して強い。