『討ち入り蕎麦会』の中止はがきが来た。
師走の雪がうっすらと積もる頃、打つわけでも無いただの蕎麦好きが近所の蕎麦屋に集まって、一年を振り返る。会員は40名ほどで出席率は半分か、高齢化が進んでいる。
赤穂浪士の羽織を着て、会長さんの挨拶が終わると山鹿太鼓の合図で乾盃する。ホロ酔いになったところで粉屋さんから今年の蕎の作柄、お医者からは健康ワンポイント、新会員の人から自己紹介と続く。
途中で店主からその日のメニューの紹介がある。今は先代の息子さんだ。石臼挽き、田舎太打ち、更科細打ち、梅や柚の風味の冷たい蕎麦が椀子で振る舞われ、〆は温かい鴨蕎麦。年に一度会う人が殆どだが、もう何十年も参加させて貰っている
土産の折り詰めと何故か塩胡麻せんべい、それに翌年のカレンダーを抱えて今年も元気に出席出来たことを喜び家路につく。何もしなくてもあっという間に過ぎる一年のひと区切りだ。
コロナで忘年会は軒並み中止。大学Rugby部OB、昔の職場の仲間、近所の先輩と友人・・・。皆さん元気だろうか。団塊の団結は強いがリモートをやる世代では無い。
“Withコロナ”とか何とか言っても、政府は個人へのお願いと知事への責任転嫁に終始し、大局に立った基本対策をサボッてきた。
その間に命とともに、“With仲間”の慣習が消えてゆく。
「検査」、「隔離」、「医療」、「生活保障」に2020補正予算と2021予算を思い切って投入すべきだ。先に灯りが見えなければ今のような暮らしは長く続かない。