メキシコの音楽家で世界的に有名なのは、前回触れたアグスティン・ララだが、コンスエロ・ベラスケス(Consuelo Velázquez)を2番手に入れたい。名前を聞いただけでは、だれかよくわからないかもしれないが、“Bésame Mucho” 「ベサメ・ムーチョ」(「たくさんキスして」の意)なら、ラテン好きでなくても知っているだろう。日本ではトリオ・ロス・パンチョス(Trío Los Panchos)のバージョンで有名である。メジャー・デビュー前のビートルズのロック・バージョン(ポール・マッカトニーによるリードボーカル)もある。 ちょっと脱線するが、トリオ・ロス・パンチョスはメキシコでは単に Los Panchos と呼ばれていた。 Pancho にはいろいろな意味がある。一つは Francisco の愛称である。メンバーが Francisco さんばかりだったのだろうか。お暇な方は調べてみてください。「ずんぐりむっくり」という意味もある。メンバーは長身ではなく、ずんぐりむっくり体型だったような気がするのだが。 コンスエロ・ベラスケスは女性である。それもかなりの美人だったらしい。やっとのことで画像を見つけたが、やっぱり美人である。「美人~」というのはえてして、「不細工でないだけ」の場合があり、筆者としてもあまり期待していなかったのだが、見事に裏切られた。
【http://www.biografiasyvidas.com/biografia/v/velazquez_consuelo.htm より】
個人名の「コンスエロ」(Consuelo)は o で終わっているので、男性かと思うが、そうではない。consueloという普通名詞があり、女子名として使われる。動詞形は consolar (英:console)で、「慰める」の意である。「神による慰め」ということだろう。決して「慰み者」という意味ではない。 筆者は1991年から2年間、メキシコ・シティのコヨアカン地区に住んでいたのだが、彼女も当時、存命で、やはりコヨアカン地区に住んでいたのである。ひょっとしたら、どこかですれ違っていたかもしれない。
さて、コンスエロ・ベラスケスには、「ベサメ・ムーチョ」のほかに「カチート」(Cachito)という曲もあり、こちらはナット・キング・コールによっても歌われている。次回は、ナット・キング・コールの「カチート」!
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