スペイン語の縮小辞の話からずいぶん脱線してしまったが、縮小辞があれば、増大辞もある。こちらは“-ón”や “-ote”で表される。女性形はそれぞれ、“-ona”と “-ota”である。
縮小辞に比べると、増大辞はあまり耳にしなかった。「かわいい」という意味がなく、逆に「ウドの大木」のように、軽蔑を表すこともあるからだろう。また、単にサイズが大きいというのではなく、意味が変わってしまう場合もある。
例えば、cabro(雄ヤギ) → cabrón は「女房寝取られ男」の意味になるので要注意。次の例も有名である。
huevo(卵) → huevón (ばか)
huevoは「卵」のほかに、「男が二つ持っているあのモノ」をも意味する。これがあまりにも大きすぎると、いかにもバカみたいである。日本のタヌキの置物を連想させる。
スペイン語の発音は日本語に似ているので、コスタリカから日本に留学したことのあるコスタリカ大学のスタッフは “japoñol”(japonés + español)なるものを作り出していた。
tamago → tamagón とやるわけだが、“¡huevón!”と面と向かって悪口を言えないとき、こっそり“¡Que tamagón!”と言っていた。
日本製の“japoñol”の代表は、やっぱり「カラムーチョ」だろう。「とても辛い」ポテトチップスの名前であるが、本来のスペイン語なら、“muy picante”である。ポテトチップスは脂肪分が多いので、あまり食べないのだが、このネーミングにひかれて、つい買ってしまったことがある。
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