呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

南アルプスのリベンジ(1日目:聖岳)

2007年10月13日 | 南アルプス
【易老渡駐車場スタートの右回りの軌跡】(GPSデータはこちら)

 この夏、南アルプス縦走で一番残念だったのは、前半の聖岳辺りまで雨やガスで視界が全く得られず、通過しただけでしか無かったことだった。こんな山を登ったのだと自分の目で確かめたいと、ずっともやもやしていた。秋の良い季節になって来たし、週末の天気はまずまずのようなので、思い切って聖岳に向かって出かける。小屋泊まりのつもりだがテントも持参しても、2日行程なので約15kg程度と軽い。

 せっかく出かけるなら、冬のルートとして良さそうかというのも、ついでに偵察しておこうと思う。金曜の夕方に出発して日曜日に帰宅するためには短いルートしか取れない。欲張っても易老渡の駐車場に車を置いて、聖光小屋のある便ヶ島から薊平に向かい、薊平から聖岳をピストンして、聖平に下って避難小屋で泊まる。翌日、上河内岳~茶臼岳~易老岳~易老渡の駐車場に戻るルートが限度だろう。

 易老渡への道は北俣沢を過ぎて北俣渡発電所を越えると、でこぼこ道で小さな落石があちこちにあって走り難い。一度直径20cm弱の落石を超えようとして腹を擦ってしまった。夜中の1時前に易老渡の駐車場に到着する。結構広い駐車場で既に20台近く駐車しており、満車に近かった。
【易老渡駐車場】

 朝目覚ましを4時に合わせてたが、仮眠時間が3時間弱で起きられず、近くの車から次々出発していくのが判るが1時間程うとうとしてしまい、6時前の出発になってしまった。駐車場から殆んどは光岳方面に登って行ったのだろう。便ヶ島まではしっかりした林道を30分弱。聖光小屋と道路を挟んだ駐車場では、車は数台しか停車しておらず少ない。立派な屋根付き休息スペースとトイレがある。様子をうろうろ確認してから出発する。そこから最初だけ登りだったが、後は平坦な立派な林道である。

 西沢渡でどんなものかなと思っていた「野猿」は、しっかりしたものだった。ザックを担いだまま手繰り寄せたので結構重い。ザックを背負って立ったまま対岸まで乗ったが、思ったより安定していて、これだと安心して使えると実感した。廃屋の裏手から尾根に取り付く。この先は急登になり、最初はトラバース気味の足場が良くない登りが多かった。

 後は、力勝負だ。淡々と登るが、高度が上がるとガスがかかってくる。きつくはないが雲の中に入って行くのだろう。薊平に近づくと雲の上に出たのか、ようやく見通しが効くようになる。10時半過ぎに薊平に着く。上河内岳方面はガスがかかったり消えたりしていて、見通しはもう一つだ。聖方面も良くなさそうだ。折角、見晴らしを求めて来たのに、期待を裏切られるのだろうかと思いながら、ザックをデポして聖岳に向かって登り始める。
【便ケ島への林道】
【便ケ島駐車場】
【便ケ島聖光小屋】
【聖光小屋前】
【聖光小屋】
【聖光小屋から登山道へ】
【最初の登り】
【滝の沢橋】
【かつら沢橋】
【西沢渡への林道】
【西沢渡】
【西沢渡の野猿1】
【西沢渡の野猿2】
【西沢渡の野猿3】
【廃屋】
【廃屋内部】
【廃屋横からの登り】
【登り途中の大木】
【ガスに朝日が】
【薊畑に近づく】
【薊畑近くから上河内岳】

 空身は楽だ。途中、下ってくる人に2人出会う。二人とも日帰りで便ヶ島に戻るそうだ。2人目の人は2日分の食料を持って来て聖平に泊まる事も考えていたが、余りに時間が早いので今日中に下るかもと言っていた。登る途中、山頂方面はガスがかかったり消えたりしているので、山頂から荒川岳方面は見えるのだろうかと思いながら、今回も諦め半分で登る。思ったより早く山頂に着く。運良く山頂でガスは晴れる。ラッキー!!荒川岳方面もガスが次々かかっているが、見通しは良いので十分だ。半分目的達成だ。

 十分堪能してから下りにかかる。下りにかかるとすぐにガスってくる。聖岳だけでなく正面に見えていた上河内岳も全く見えなくなってくる。薊平へ2/3ほど下ったた所で2人目に会った人を追い越してしまう。下っている途中で登ってくる30代の若い人にすれ違う。ガスって気の毒に思う。ちょっとした時間の差だった。薊平に着くと、もう一つザックが横にデポしてあった。先ほどの若い人のものだろう。

 この先どうしようか迷う。まだ時間は早くて、13時半にもなっていない。体調も悪くないし体力や気力は茶臼小屋まで行こうとそそのかすが、どうしようか迷う。そこまで行ければ光岳ピストンも視野に入る。ただ、帰りの車の運転を考えると、睡眠不足を続けるのももう一つだと理性が言う。それに樹林帯の光岳への道もおもしろくないと思うので、聖平小屋でゆっくり泊まる事にする。

 聖平小屋はまだ早いので誰も居ない。ついこの間泊まったように思える。新しくすばらしい小屋だが窓を開けないので真っ暗だ。入り口付近に陣取って飲み物を作っていると、初老の登山者が入ってきて100名山をやっている、横窪沢小屋から入って光小屋から8時間行程のルートで来たと、こちらは何も聞かない間に興味の無い話題を勝手にまくしたてる。小屋内の温度は8℃で外気温は4℃だった。

 持参したパルスオキシメーターでSpO2を測ると95、脈拍105でそんなに高所ではない2300m程度の割りには悪い。小屋横の沢に水を汲みに行く。水量は豊富だった。その内1人、更に最後は聖岳下りで出会った30代の若い人も入ってきた。聞くと彼は私と同じルートのようだ。少し話をするが明日早く発ちたいし、ウィスキーも効いてきて早く寝付く。
(24,000歩:易老渡から聖平まで)
【薊畑に着く】
【秋の枯れた薊畑】
【薊畑から上河内岳方面】
【薊畑の少し登った所から上河内岳方面1】
【薊畑の少し登った所から上河内岳方面2】
【小聖岳】
【登り途中からの富士山】
【聖岳山頂が見える】
【聖岳山頂から荒川岳方面】
【薊平に帰る(デポザックが2つ)】
【聖平へ下る】
【聖平小屋本館は封鎖】
【聖平のトイレは2箇所以外は封鎖】



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