明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



帝劇の100周年記念公演『レ・ミゼラブル』に母と行くことになっている。K本で顔を会わすジャベール役の今 拓哉さんにチケットをお願いした。K本から母に電話をかけ、今さんに替わってもらったりしたので母はよけい楽しみにしている。銀座から近い湊町生まれの母は、昔はよく帝劇に通ったというので、最後に観たのはなに?ときくと「ロッパかな」。 確かに亡くなった父というのは愛想のない男で、観劇など思いも付かなかっただろう。結婚前のデート中、映画館に入ったのは携帯ラジオで野球中継を聴きたかったからで、あげくに観たのが『ゴジラの逆襲』(55`)つまりゴジラ対アンギラスである。私が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティーだったら、この男は止めておいたほうがいいんじゃないか?と母にいってしまいそうである。 そんなわけで私と父は、寝転がってTVを観ながら貧乏ゆすりのポーズがまったく同じだけで、他に共通点はない。唯一といえばプロレス好きなことであろう。武道館も一緒に出かけたものである。入院中も話すことが無くなってしまうのでスポーツ新聞は必ず持っていった。親孝行のつもりで、猪木派の父に話を合わせていたので、私が馬場派なことは知らずに死んでいった。 心残りといえば亡くなる寸前、レフェリーが書いたプロレス暴露本を読ませてしまったことである。しかしこれを認めてしまったら、今までの私との唯一の接点が、と父なりに思ったのであろう。この本に関しては一言も触れなかった。

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