明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



川瀬巴水は鏑木清方の弟子であった。 私が写真に持ち込もうとしていた“陰影問題”を絵画(木版画)だけに違和感なくこなしている。真を写す写真だったらこれはヘンだ、となるはずだが、写真という手法はその辺身も蓋もないと思うわけである。もともとその自由奔放さに最初に着目した身も蓋もある手法、浮世絵よりも新浮世絵たる写実的な巴水の新版画は、直接参考になる。私の妄想の中で清方が「あんた私の円朝像のオマージュ作品まで作って日本画の陰影がどうの、といっているようだが、私の弟子の巴水を紹介しよう。参考になるかもしれんよ」。昨日朝、別冊太陽『川瀬巴水決定版』に得るところが大きかったせいか、夕方円朝像を全生庵に届け、帰り際にあろうことか「近いうちに、寒山拾得制作を試みようと思っています。」山岡鉄舟建立の禅寺の玄関先で何を口走っているのか私。 本日牡丹灯籠最後の背景撮影のため、約束の時間まで撮影現場近くの店に陣取り、ノート、書類を前に苦手な計算。数字は私にとって悪魔の文字といってよい。ゴキブリに等しい。今度生まれ変わったら、存在しない世界に生まれてみたい。だがしかし、こんな苦役の後の私は冴わたる。撮影はとっとと終わり、おそらく朝までに予定の牡丹灯籠2カット完成させてしまうだろう。

HP

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