明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



己の魂を口から吹き出し、遊離させる術を持つ。ある日老君に会いに行くため、魂を遊離させ、魂の抜けた身体を弟子に七日経っても帰らなければ身体を焼くように命じる.しかし六日目に弟子の母親が危篤になり、鉄拐の身体を焼いて、母親のもとに帰ってしまう。戻って来た鉄拐は、側にあった脚の悪い乞食の死体に入り甦る。鉄の杖をつき魂を口から吹き出している姿で描かれる。昔、頬っぺたに空気を貯めたトランペッターを何体か作った経験を思いだし制作している。   初個展から来年40周年を迎えるにあたり、架空の人物制作に戻った、と思っていたら、それを通り越して小学3年生頃の、大国主命の紙芝居を作った頃にまで戻ってしまった。丁度その頃だったろう。一人でいた時に頭に浮かんだイメージは何処へ行ってしまうんだろう。と悩んでいたのは。間違いなく頭の中にあるのに。思えばそれを確認する方法を探してずっと来たという気がする。そのあげくが、人形を作って写真を撮ることであり、最後に、陰影などない、頭の中のイメージを正確に描写するため陰影を取り去るに至った。その結果のあげくが仙人まで制作出来るという訳である。小学3年ともなれば、すでに周りの大人に聞いたって無駄なことを理解し、気の効いた大人を求めて偉人伝を読みまくっていたのであった。あの頃の私に、こんな方法でやることになった、と教えてやりたいが、ここまで時間が掛かることだけは可哀想なのでいってはならない。



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