明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


知り合いからグループ展見てきました。どうやって描いたんですか?とメール。「写真だよ!」。 寄席風景は手前に圓朝、後ろにお露とお米の後ろ姿。もしくは中空に浮ぶ牡丹灯籠、どちらか決めかねていたが、灯籠は牡丹といっても足下を照らす物であろう。ということは目前に捧げ持つのであるから、後ろ姿では隠れてしまう。今頃気が付いた。 春画では、見せたい所を見せたいあまりに、乳房とお尻が妙な状態で描かれていたりする。生身の人間であればねじ切れてしまいそうな体位である。さすが昔の日本人。 平面的な背景に立体を参加させることはできた。陰影のない平面は、この画面は現世(うつしよ)ではないということであるから、筆で描いたヒトダマや蠟燭の火も入ってくれる。火が大丈夫なら水も大丈夫ということになるだろう。さらにやれることが広がるだろう。昔ヌードを撮影していた時、それが江戸川乱歩の『盲獣』用だから、というわけではないが、多分、乳房と尻のいいところを写したいと集中していたのであろう。それこそねじ切らないと無理なポーズを要求していた。無茶をいってる自分に呆れた。現世という所は不自由であることを忘れてはいけない。 入院中の母を見舞ったら昼間から寝ている。前回見舞ったとき、看護士が昼夜逆転防止だろう、婆さんを起していた。そこで「昼間から寝てんじゃないよ」。母を起すと真面目な顔して「どちら様ですか?」シャレにならないからそういう冗談は止めろ!

鏑木清方作三遊亭円朝図へのオマージュ」出品中 明日最終日。
「一角獣の変身-青木画廊クロニクル 1961~2016」刊行記念展Ⅰ
2017.06/02(金)
平日11:00~19:00 
HP

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