明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



映画監督、小津安二郎を制作中である。小津は独特のローアングルで有名で、ローアングル用の脚を切り詰めた三脚を特注していた。当の小津も必然的に低い位置で、時にムシロを敷いた低い位置から演出することになる。二体目となる小津は、そんな様子を作る予定である。 東京の深川出身の小津安二郎は9歳で三重県に転居している。その小津と縁のある、三重県は鳥羽市より海女の磯メガネおよび磯着が届いた。磯メガネと呼ばれる水中眼鏡は一目でプロ用とわかる頑丈な作りである。こう見ると私が事前に入手していた戦前の水中眼鏡は、とても仕事に耐える作りではない。 肝心の磯着はというと、以前実際に使われていた物で、着ていた人の名前、何故かクリーニング店の判が押してある。畳んであるのを見ると割烹着のようであるが、開くとまさしく。 他に腰巻状の布着れと、これはブラジャーのように胸に当てるのか、下半身をさらに保護するものか、頭に巻く物かは不明だが、ただ布に紐が付いた物。さらに用途不明なのが大きめな三角巾に紐が付いた物である。紐が両方についていればフンドシのように使うのか、とも思うが短い紐が片側に一本なのである。おそらく文明開化の頃、西洋から入ってきた女性用下着を始めて見た日本人は、今の私のようであったに違いない。 ところで。お婆ちゃんが使っていた物、というのはすでに聞いてしまっている。

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