考えるな感じろも良いが、ここに至れば、何を作らないか、も考えなければならない。とはいうものの。1、怪談話で知られる落語中興の大圓朝こと、三遊亭圓朝は、川瀬巴水などの新版画調に制作した明治の寄席の前を、圓朝本人、また『怪談牡丹灯篭』のお露とお米を歩かせたりしたが、寄席内部は構想だけで終わっている。圓朝が燭台ニ燈に当時の寄席の舞台には火鉢まで置いていたようで、怪談噺をする圓朝。 2、圓朝、泉鏡花、柳田國男による怪談会。三人の年代合わせを考える面倒から。 3、画室で絵を描く葛飾北斎。人形は作ってあるのに、寒山拾得に取り掛かったせいで頓挫。『海女と蛸』のために女をデッサンする北斎。女は足先以外は障子の影。 4、泉鏡花の『高野聖』山深い所に滝、女の住まい。女に誘惑され化かされた男達。登場する物が多く、中々形にする機会がないまま。 結果4選に。