デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

小学生でも知っている国のウソ(PART 1 OF 3)

2012-08-24 16:47:33 | 日本人・日本文化・文学論・日本語
 
  
小学生でも知っている国のウソ(PART 1 OF 3)




(fuku001.jpg)

<iframe width="500" height="350" src="http://www.youtube.com/embed/1evoo8ab9kA" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>


私は、ゆうだい君の手紙に書いてあった、「皆で話し合って決めるべきなのです。」に、反対します。
なぜなら、私の意見は自分で話し合っている間に、まずは原発を止めるという意見だからです。

そして自分の考えでは、政府と関東、東電、そして自分達が悪いと思います。
まず私が、政府を悪いと思った訳は、大事なことを教えてくれなかったからです。
例えば原発のこと(など)です。

ですが、政府は確かにパニックになると考えて大事なことを教えてくれなかったけれど、原発のことなどを知った皆がパニックにはならないのではないでしょうか?
その次に、関東が悪いと思った訳は、このような状況だというのに電気を無駄遣いしているからです。
(いらない分も使っている。)
そして、東電を悪いと思った訳は、政府と同じように、嘘をついていたからです。
例えばまちがえている、放射線量を教えていたからです。
さらに私が、自分達が悪いと思った訳は、原子力発電を作ることを許したからです。

 (後略)

K.S (小学四年生)

(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーより)




47ページ 『僕のお父さんは東電社員です』
編者: 毎日小学生新聞
著者: 森 達也
2012年1月15日 第1版第4刷発行
発行所: 株式会社 現代書館




ケイトー。。。この手紙はマジで小学四年生が書いたものなの? ヤラセじゃないのォ~?



初め僕も、そう思ったのですよ。 でもねぇ、本の中には、ゆうだい君の手紙を読んで毎日小学生新聞の編集部にたくさんの生徒が賛成の手紙や反対の手紙を寄せたのですよ。

でも、小学四年生にしては、難しい漢字を使って、ずいぶんと大人っぽいことが書いてあるじゃない?

うん、うん、うん。。。本の中の手紙を読んでね、僕が小学校4年生の頃と比べて、最近の小学生は、ずいぶんと社会的な問題にも関心があると思って驚いたのですよ。 だいたい、僕が小学生の頃は新聞なんて読まなかったし、たとえ意見があっても、手紙を書いて編集部に寄稿するなんて考えませんでしたよ。

それはケイトーの社会意識が子供の頃に低かっただけなのよ。 他の生徒はしっかりした意見を持っていたかもしれないわ。 何でも自分を基準にして考えない方がいいわよう。

あのねぇ~。。。言っちゃ悪いけれど、僕が子供の頃には全国的に安保反対運動が盛り上がっていて、デモ隊が腕を組んで国会に向かってジグザグ行進をしている様子が毎日のようにテレビで流れていた。 僕だって安保のことを少しは考えたのですよ。

でも、ケイトーはデモに参加しなかったし、新聞にも投稿しなかったのでしょう?

だから僕は小学生だったのですよ。

小学生だって社会意識に目覚めていればデモに参加してもいいと思うわ。

あのねぇ~、いくらなんでも小学生でデモに参加した生徒はテレビに映っているシーンを見る限り一人として居ませんでしたよ。 それに、東大生の樺美智子さんがデモの混乱の中で亡くなった。 そのニュースをテレビで見た僕の母親は僕に言ったものですよ。 「大学まで行ってデモで死んだら両親は泣いても泣ききれないのよ。 オマエは大きくなったら、あのようなデモに参加しては絶対にダメよ!」

。。。で、ケイトーは何て答えたのよ。

僕は答えませんでした。 僕の母親の言うことを聞いて、子供心に亡くなった樺美智子さん両親の気持ちが良~く解ったからですよ。

でも、ケイトーのお母さんはマジでそんなことを言ったの?

マジで言ったのですよ。 なぜなら僕は子供の頃は過激で、国を救うためならば特攻隊になっても国会議事堂に飛行機ごと突っ込むというようなことを言っていたからですよ。

あらっ。。。それじゃあ、まるでニューヨーク世界貿易センターの超高層ビルに突っ込んだイスラム過激派のテロリストのようじゃない!? それだけ過激な事を言っていたのに小学生の頃、新聞に投書したことがないのォ~?

太平洋戦争時代に、国を救いたいという特攻隊員の気持ちに心を打たれても、新聞に意見を投稿するという考えは一度も思い浮かびませんでしたよ。 だから、本の中の小学生たちの手紙を読んで僕は最近の小学生が過激ではなく、現実的な考えを持つようになったのだと思い感心したのですよ。

。。。で、ゆうだい君の手紙というのは?

次のような手紙ですよ。。。




突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。
(2011年)3月27日の日曜日の毎日小学生新聞の1面に、「東電の人々のことを考えてるか」という見出しがありました。
北村龍行さんの「NEWSの窓」です。
読んでみて、無責任だ、と思いました。
みなさんの中には、「言っている通りじゃないか。どこが無責任だ」と思う人はいると思います。

確かに、ほとんどは真実です。
ですが、最後の方に、「危険もある原子力発電や、生活に欠かせない電気の供給をまかせていたことが、本当にとても危険なことだったのかもしれない」と書いてありました。
そこが、無責任なのです。

原子力発電所を造ったのは誰でしょうか。
もちろん、東京電力です。
では、原子力発電所を造るきっかけをつくったのは誰でしょう。
それは、日本人、いや、世界中の人々です。
その中には、僕も、あなたも、北村龍行さんも入っています。

なぜ、そう言えるのかというと、こう考えたからです。
発電所を増やさなければならないのは、日本人が、夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使ったからです。
さらに、発電所の中でも、原子力発電所を造らなけらばならなかったのは、地球温暖化を防ぐためです。
水力では、ダムを造らなければならず、村が沈んだりします。
その点、原子力なら燃料も安定して手に入るし、二酸化炭素も出ません。
そこで、原子力発電所を造ったわけですが、その地球温暖化を進めたのは世界中の人々です。

そう考えていくと、原子力発電所を造ったのは、東電も含み、みんなであると言え、また、あの記事が無責任であるとも言えます。
さらに、あの記事だけでなく、みんなも無責任であるのです。


僕は、東電を過保護しすぎるかもしれません。
なので、こういう事態こそ、みんなで話し合って決めるべきなのです。
そうすれば、なにかいい案が生まれてくるはずです。

あえてもう一度書きます。
ぼくは、みんなで話し合うことが大切だ、と言いたいのです。
そして、みんなでこの津波を乗りこえていきましょう。

(東電社員の子供・ゆうだい)
小学六年生

(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーより)




1-3ページ 『僕のお父さんは東電社員です』
編者: 毎日小学生新聞
著者: 森 達也
2012年1月15日 第1版第4刷発行
発行所: 株式会社 現代書館

『僕のお父さんは東電社員』に掲載。
(2012年8月20日)




なるほどォ~。。。ゆうだい君も、ずいぶんと大人びたことを書いているのね。



シルヴィーは、まるで初めて読んだようなことを言うけれど、上の手紙を引用してシルヴィーと対談して書いた『僕のお父さんは東電社員』は多くの人に読まれたのですよ。


(ame20821.gif)



あらっ。。。8月20日のアクセスがダントツじゃない!



そうですよ。 次の「人気記事」リストを見れば判るけれど、8月20日には『僕のお父さんは東電社員』がダントツで読まれた。


(ame20820b.gif)



実は、ケイトーに言われて私も本を読んでみたのよ。



おおっ。。。シルヴィーもマジで読んでみたのォ~。。。

そうなのよ。。。私は次の手紙を読んで感心したのよ


東電含め原発にたずさわる人は悪くない。
ぼくは東電などの原発事故で主に責任がある人ばかりを責めるのはよくないと思う。
なぜなら僕はせいいっぱいやっているように見えました。
それにゆうだい君の言う通り責任は皆にあるはずの物をたまたま関係した人を責めて何だかみにくいような感じがします。

同じように国会の中で政府や菅首相に責任をおしつけているように見えます。
僕はマスコミや評論家の人が批判ばかりで、前向きな意見を言う事をめったに見かけません。
そういう事は悲しすぎます。

でも被災地では助け合って生きているじゃないですか。
それなのに助ける側がもめてどうするんですか、今こそ各々が自分の責任を感じて和の国日本が思いやりや、助け合いがあふれて、未来が明るくなるようにする時だと思います。


久保光平 (小学六年生)




80-81ページ
『僕のお父さんは東電社員です』
編者: 毎日小学生新聞



 (すぐ下のページへ続く)



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小学生でも知っている国のウ... | トップ | 断れない誘い »

コメントを投稿

日本人・日本文化・文学論・日本語」カテゴリの最新記事